天井に現わされた立派な梁や軒に見える太い垂木。その力強さと温もり、そして長い年月を重ねてきたものだけにしか醸し出せない貫禄といった「木」そのものの魅力が、住まい全体に溢れている。K邸は、製材屋として長年木材と向き合い、素材の良し悪しや生かし方を熟知した黒松製材建設で建てた家。足元に広がる浮づくりの床は優しく、木で造作された建具や棚、木造のカーポートまでも雰囲気にマッチしていて、その調和も心地いい。
奥様の実家も同社で建てていたことや、「黒松の家は何十年経っても頑丈」という周囲のクチコミもあり、ほとんど迷うことなく同社に決めたKさん。実物を改めて確かめようと訪れた見学会では、木や漆喰など自然素材が醸す温もりある雰囲気が気に入り、梅雨時期にもかかわらずカラッとした空気の良さを実感できた。新居で希望したのは大きな窓があるリビング。実家の特長を受け継いだもので、日向ぼっこをしながらほっと寛げる、奥様のお気に入りポイントだ。
充実の収納もこだわりの一つ。キャンプやサーフィンなどアウトドアを好むKさん。それらの道具が仕舞えるよう、玄関収納は広く確保し、カーポート側へも運び出せるようにした。また、キッチン横にもたっぷりしまえる納戸を配置。食器棚も余裕で置ける広さで、食品や書類、雑貨など様々なものを片付けられる。ここもカーポートへ出られるようになっており、コートクロークも設けているため家族の主玄関となっている。そんな計画的な収納によって広々と使えるリビングは、テーブルを置かず子どもたちが元気に走り回れる空間。和室やウッドデッキとも開放的につながり伸びやかに過ごせる。
老後の住宅改修にも配慮したトイレの間取りや、布団が干せるよう幅を広げたウッドデッキなど、日々の暮らしや将来と照らし合わせて工夫した住まい。「なんでも聞き入れるのではなく、プロならではのアドバイスで導いてくれるのが頼もしかったです」とKさんは振り返る。
【黒松製材建設/鹿児島】