初めて訪れたのになぜかしっくりと馴染む、新しいはずなのにどこかノスタルジーを感じさせるF邸の魅力はまず、日本古来の工法である真壁づくりにあると言える。柱や梁を壁で覆ってしまうのではなく、そのまま見せることで木のぬくもりや存在感を演出する効果に加え、木が呼吸し、調湿することによる室内環境の安定性にも一役買っている。香りといい、風情といい、ひのきに囲まれることでもたらされる安らぎは、日本人なら誰しも感じる心地良さではないだろうか。
元々は古民家をリノベーションする構想を練っていたFさんご夫妻だったが、物件探しのために訪れた不動産屋でたまたま見かけた同社のチラシに目を奪われた。新築でありながらも古民家のような懐かしさを醸している家の写真は、まさにFさんご夫妻のイメージ通り。迷うことなく同社での家づくりがスタートした。
F邸は、日本の風土に適した昔ながらの建築の良い部分を取り入れつつも、現代技術を採用することでより進化した家づくりを可能にしている。例えば、外張り断熱により家を丸ごと覆い、まるで魔法瓶のように室内の温度を一定に保つ。また、遮熱性にも優れ、鹿児島の夏の強い陽射し対策も万全だ。おかげでいつでもどの部屋でも極端な寒暖差がなく、快適に過ごせるというわけだ。「残暑厳しい9月から冬も過ごしましたが、本当に室内が快適でした」とご主人。しかも、従来の木造建築に2×4構造のパネルを組み合わせたハイブリッド構造だから、耐震性能の高い丈夫な家であるというのも安心だ。
快適な住環境と強固な耐震構造で快適かつ安全な暮らしが実現。そこに自分たちらしいエッセンスを加えていく。一枚板のオーダーメイドのダイニングテーブルや雰囲気のある照明やプロペラファンなど、Fさんご夫妻セレクトのインテリアが見事にマッチしている。
音楽と映画好きのご主人の希望でリビングにはホームシアターを設置。100インチのスクリーンとなんとご主人手作りのスピーカー、そして棚には無数のCDやDVD。休日に家族でゆっくり映画や音楽鑑賞に興じる…なんとも優雅なひとときが叶う。2階のホールには、ドラムセットとピアノを置き、自由に演奏を楽しめるスペースに。お子さんたちも自然と音楽に親しんでいる様子。さらに玄関横に設けられた和室の趣味部屋にもスクリーンやスピーカーが設置され、ときには一人で存分に趣味に浸れる贅沢空間となっている。
家族が楽しむ空間としては、ダイニングの畳ベンチも特徴的だ。単に椅子としてだけでなく、ちょっと横になって寛ぐスペースにもなる。テレビを見たり、食事をしたり、語らったり、休憩したりと多彩に活用。しかも座面下に収納を設けて合理的なつくりに。ひのきに囲まれ、潤いに満ちたF邸は魅力が溢れている。
【サイエンスホーム/鹿児島】