田園が広がる静かな環境の中に佇むS邸は、レトロとモダンが融合したハイセンスな住まい。アンティークの家具や小物を集めるのが趣味というご夫妻の希望に沿って、レトロなミシンや家具、鏡や照明、椅子、机など、今まで集めたインテリア性の高いアンティーク雑貨がアクセントになった、自然素材に包まれたナチュラルテイストの空間に仕上がっている。
家具やインテリアにはこだわりのある奥様。キッチンや洗面台などは知り合いに製作してもらい、食器棚に関しては明治時代のものをリメイクした。しかし、それら一つ一つが違和感なく、漆喰の壁や自然素材の住まいに見事に溶け込んでいる。住み手の気持ちを汲み取った匠の技にも感心するばかり。「景色を眺めたり、テレビを見たり、本を読んだり…とリビングで何気なく過ごす時間は格別で心が落ち着きます」と語る奥様。好きなものに囲まれて、日常の喧騒を忘れさせる癒しの空間に大満足のご様子。
勾配天井で広々としたリビングの隣に洗面所、サニタリールームなど水回りを集約。ユーティリティーからはそのままサンルームへ行けるので、家事動線はスムーズ。玄関上部にはロフトを設け、階段を上るとキャットウォークのようなユニークな仕掛けがあり、ドキドキしながら渡るとご主人の書斎へ。リビングとも繋がり、子どもたちの遊び場としても活躍しそう。子どもたちの成長に合わせて家づくりをスタートさせたこともあり、自然に囲まれた環境は絶対条件。「兄弟仲良くほとんどの時間は外で思いっきり遊んでいます。都会とは違い緑豊かなのんびりとした場所なので安心して遊ばせられますよ」と奥様。
住まいにもその良さは随所で生かされていて、素足で歩いて気持ちのよい、温もりのある空間に子どもたちは外と中を行ったり来たり。「やんちゃ盛りの子どもがいるので、インテリアも壊れたり床に傷もたくさんつきました。でも自然の木なので、それが味になって、家族で過ごした証です」と日々の営みを楽しんでいるよう。
【木づくり建築工房 住まいず/鹿児島】