緑の庭とナチュラルテイストの室内が緩やかにつながるN邸は、自然と調和する家づくりを得意とするヤマサハウスが手がけた住まい。「ウッドデッキが広いので、バーベキューコンロや七輪を出して外で食事をしたり、ハンモックやチェアでくつろいだりすることが多くなりました」と、Nさんご家族は新居でのアウトドアライフを気軽に楽しんでいるそう。
ワイドなウッドデッキとフェンスで囲まれた庭は、家族の絶好の遊び場となっているようだ。デッキ部分は家の中と外の境界を意識することなく部屋の一部のように活用できるよう大きな軒を設け、室内の天井と高さを合わせて空間の広がりを演出。大きな開口部から視線が外へ抜けていくため、室内にいても開放感を感じられる造りとなっている。また、大きく張り出した軒は、夏になると陽差しが室内に入るのを遮り、冬にはポカポカと暖かい日だまりをつくる。庭遊びを楽しむためだけでなく、快適に暮らすための役割も果たしているのだ。
この家を設計したのはご主人の弟である同社の設計士だ。鹿児島市内への転勤を機に家づくりを考えるようになったご主人だが、「何から手をつければいいのかもわからなくて」と、真っ先に弟さんに相談。資金計画や間取りなど具体的なアドバイスを受けて家づくりの計画が現実になっていく。プランニングでは、ご主人の趣味でもあるキャンプや魚釣りを楽しむための機能とともに、スムーズな動線を考慮した。
釣竿やクーラーボックス、バーベキューコンロなど、アウトドアで活用するグッズは大きさや形がバラバラで、広い収納スペースを必要とするものが多い。N邸では、これらのアウトドア用品を丸ごと収納できる大型倉庫をキッチン横の物干しスペース前に設置。釣った魚をさばいたり道具の手入れをしたりできる外水栓も倉庫前に用意した。これなら、バーベキューの後片付けも簡単。ご主人が大物を釣ってきたときも室内を汚すことなく美味しくいただくことができそうだ。
N邸の1階部分は生活空間がコンパクトにまとめられている。子どもたちの個室とフリーに使えるホールを2階に用意しているのだが、小学生の子どもたちは1階で過ごすことが多く、学校の宿題などもリビングに隣接する和室で済ましているという。リビングとひとつづきの和室ではあるが、空間が分かれることでメリハリが生まれ、集中して勉強に取り組むことができるのだそう。そんな子どもたちの姿を伺いながら家事ができるのもメリットの一つだ。
日常生活で家事を行うとき、「料理」「洗濯」「掃除」などの動きをつなぐ動線が短いほど、家事負担が少なくなり暮らしやすい家になる。N邸では、バスルーム、脱衣所、キッチン、物干しスペースを一直線に配置。「洗濯したらその場で干して、竿ごと物干し用のデッキへ移動することもできます。キッチンが広いので窮屈さを感じることはありません」と奥様。脱衣室は扉を2箇所設けているため廊下からもアクセスでき、スムーズな生活動線をつくっている。
【ヤマサハウス/鹿児島】