夕暮れにひと際存在感を放つビジュアルに思わず目が留まる。それは郡山の住宅地の一角に建つだんらんホームの新たなモデルハウスだ。1階の外壁に使った焼き杉は、やわらかな木の風合いと共にシックな顔も持ち合わせ、2階の白壁とのコントラストが青空に良く映え、あたりの風景に馴染みつつも印象的な仕上がりに。そこへさらなる彩りを添えるのがバランス良く配された多彩な植栽たち。日中は太陽の光を携え、夜は照明に照らされて美しい陰影を浮かべる。そんな木々に誘われて寄り付き道を行けば、室内への期待がだんだんと高まっていく。
玄関を開けて出迎えてくれたのは、さわやかな木の香り。床や天井、建具などふんだんに木が使われ、まるでその温もりに抱かれている心地になる。洗い出しの玄関土間が醸す和の風情とも相まって、優しさに包まれた安らぎの空間が広がっている。思わず「ただいま」と言いたくなるそんな懐の大きさを感じさせる。
今回のモデルハウスで最も象徴的なのが和室リビングだ。従来、リビングの横に和室を設けるのがスタンダードだが、限られた敷地の中で両方を最大限に活かす方法として、畳とリビングを合体させるスタイルを採用した。「和室は欲しいけどスペースが足りない」「せっかく作ったけど持て余しがち」と言った和室の問題を解消してくれる新発想だ。壁には大きくフィックス窓をはめ込み、外の景色を取り込むピクチャーウインドウにした。リビングで寝転びながら四季折々の木々を愛でる…なんて贅沢なひとときを過ごしたい。
建坪31坪とコンパクトながらもゆとりを感じるのは、絶妙な抜け感にある。ダイニング上部の吹き抜けは光を取り入れ、開放感をもたらす。また、地窓から覗く光と緑が奥行を与えている。これまで通りの居心地のいい家づくりをベースに、より豊かな空間デザインを提案した、だんらんホームの真骨頂とも言えるモデルハウスだ。
【だんらんホーム(イシタケ)/鹿児島】