「収納を充実させたくて」と語るTさん。物を必要な時すぐ取りだせるように家具をなるべく置かず、廊下をなくして多くの場所に収納を設置した。小上がりがあるのも収納を作るためというほど。さらに玄関と中庭をつなぐウォークスルークローゼットを設け、外使いのアイテムはそこで一括管理している。スペースを広く取っているので整理整頓しやすく、雨の日は子どもたちの遊び場にも使えそうだ。
そんな多数の収納のお陰でいつでも片付いているT邸は、明るさと開放感も抜群。二方向に高窓を設けた吹き抜けや中庭から自然光が降り注ぎ、なかでも小上がりのダイニングは和モダンなカフェのよう。吹き抜けが特別感を演出して、贅沢な気分を楽しみつつ食事ができる。
一方、洗濯などの生活感が出る場所は個室になっていて、洗濯からしまうまでの全作業をそこで行える。家事の負担を圧縮できる上、オンオフも切り替えやすい。
自然素材の家というのもTさんご夫婦のこだわり。主に桜材や檜を使い、壁は天然系の塗り壁材を用いている。調湿機能に加え、消臭・断熱効果などにも優れた高品質な素材だ。天然の安心感はもちろん、見た目に優しく統一感が出るのもいい。これらの良質素材を用いるのも「通気断熱WB工法」の力を最大限引き出すためだそう。これは壁内にある通気層が室内の湿気や生活臭を外へ出し、自然の熱を感知して通気口が自動開閉するシステムで、冬は熱を逃がさず保温、夏は余計な熱を排出する冷却を自動的に行ってくれる。機械による換気ではないため余計な電気代やメンテナンスがいらず、季節に応じて家自らが衣替え。常に調湿し、クリーンな空気を保つため「室内干しの乾きが早くて助かります」と奥様。
さらに通気層を備えた壁はかなりの強度があり、壁内の湿度をコントロールするため結露や劣化にも大変強い。結果、家を面で支える耐震性も非常に高いという点も見逃せない。
【KURA匠 (くらしょう)/鹿児島】