三世代で暮らす二世帯住宅のT邸は、1階が両親、2階が息子さん家族と、フロアで分離した横割設計だ。1階に暮らす両親にとっては階段の上り下りがないことや我が子がそばにいることは、将来的に体が辛くなったときも安心。2階の息子さん家族にとっては、両親とフロアで隔たりがありプライバシーが保たれつつも、子育てや家事で助けが必要なときに心強いというメリットがある。「子どもの面倒を見てくれたり、食事を作ってくれたりと助かっています」と奥様。バランスのいい距離感で程よく寄り添える安心感がいい。
快適な空間づくりにこだわったT邸。床材には無垢を選び、自然素材ならではの風合いが気持ちいい。まだ小さいお子さんにも安心だ。また、大きな窓や明り取りを設けたくさんの光を取り込み、白い壁と天井がその光を拡散して部屋全体を優しい光で包み込む。吹き抜けが与える開放感も抜群。家族みんなが心地良く過ごせる工夫がいっぱいだ。
白と木を基調としたナチュラルな雰囲気のT邸は、さり気ないデザイン性の高さが光る。まず外観は、美しい白壁に大小異なる窓のバランスが絶妙。一部に木をあしらって、豊かな表情を演出している。そして2階のリビングは、ところどころに黒のアイアンやアイテムを採用して、甘くなり過ぎない男前な顔も見せる。また、キッチン裏に設けたニッチや余った床材を使ったディスプレイ棚にワークカウンター、タイル調のクロスなど、カフェ風のテイストがあちこちに配されている。おしゃれで居心地の良い空間デザインが実に上手い。
1・2階共にハイドアを採用している点も重要なポイント。ドアが天井の高さまであることでラインがスッキリして、空間を広く感じさせてくれる効果がありつつスタイリッシュな印象にもなり、一石二鳥と言うわけだ。住み心地の良さに加えデザイン性も兼ね備えたT邸は、まさに憧れの家と言えるのではないだろうか。
【田丸ハウス/鹿児島】