H邸の家づくりは、Hさんご夫婦が18年営んできたサロンの移転がきっかけ。入居していたビルの老朽化に伴い、新たに新居と店舗を合わせて建てることにしたそう。そうして完成したH邸は、1階はヘアサロン、中2階がネイルサロン、2階が事務所と住居を兼ねた多目的スペース、3階が住居となっている。スキップフロアを上手く使い、各エリアをしっかりと分けているのが特長だ。
1階奥のシャンプー室と中2階の一部は吹き抜けで繋がっていて開放感があり、施術中もゆったりと過ごせるよう配慮。家族が住居エリアへ入る際、互いに気兼ねしないようにプライベートエリアへの入口は別に作り、通路も間仕切りで完全に分けている。
一方、2階はサロンと同じ雰囲気を大切にしていて、壁色はもちろんコンセントプレートや排気口なども同色で統一。同じ階にある主寝室は壁に黒いギターを飾るため、色が映える赤い壁にするなどのこだわりも。モダンアートのような空間が目を楽しませてくれる。
3階LDKは、家族が集う憩いの場。「忙しい時もみんなで過ごせるように」と可能な限り広くスペースを取り、多目的に使えるよう考えている。例えば、リビングのクローゼット扉を鏡にすることでリビングが簡易スタジオに変わり、ダンスを習う子どもたちの練習の場として活躍。多忙なHさんご夫婦がその様子を家事や食事などしながら見守れるというのも利点だ。一方、生活感を出さない工夫も充実。まず外からの視線対策に、3階ベランダへサロンのシンボルを設置した。かなり大きいので中を隠しつつ、道路からサロンの宣伝効果もばっちり。
アクティブなHさんご家族がさらにこだわったのが浴室。疲れた心身をしっかり癒やせるように、高級ホテルのような設備を導入している。テレビや音楽はもちろん、調光機能付き間接照明やジェットバス、天井から勢いよく湯が流れ落ちる打たせ湯まで盛り込まれていて、最高のバスタイムを演出。時間を忘れて思う存分リフレッシュできる。
【林檎舎/鹿児島】