季節を映す山々や田畑、川遊びができる小川。古き良き日本の原風景が残されている静かな集落に、S邸は建つ。以前はここから車で10分もかからない街中に住んでいたそう。「新築を考えたとき、落ち着ける場所がいい、と夫婦の意見が一致しました」とご主人。住宅メーカー選びも二人であちこちへ出向き、じっくり検討を重ねた。
その中でも奥様が、独身時代から気になっていたという成建ホーム。理由は夫婦ともに化学物質に敏感な体質。家づくりを考え始めてからめぐる様になった幾つかの住宅会社。長く居ると体調に影響する新築物件やモデルハウスもあった様だが、同社の扱う自然由来の素材や漆喰で建てた家や店舗では平気だった。「自然素材を生かした家のよさを体感して、ずっと暮らしていく環境の大切さを再認識。大きな決め手になりました」。自然の素材にこだわりながら、独特の雰囲気を持つ我が家に愛着もひとしおだ。
S邸のテーマは、ジャンクスタイル。一般にジャンクはがらくたといった意味だが、ここでは古びた雰囲気の家具・雑貨などを用いたインテリアのことを指している。成建ホームでは、『アンティークな新築住宅』というコンセプトの家も提案中。Sさん夫妻が思い描くスタイルにも、レスポンスがよかった。「他社ではあまり理解してもらえなかったり、ムリだと言われたり。そもそも田舎でそういう家づくりができるのか不安でした。でも成建ホームでは期待以上の対応がありました」。
担当者との打ち合わせでも、問いかけた以上の答えが返ってくる。親身になっていい家を造ろうとする姿勢が伝わってきたという。同社は施主との打ち合わせ回数が多い。手間や苦労はあるが、家が完成したときにそれ以上の満足感が得られるのだ。「自分たちの好きなコトが伝わって、互いに熱くなれて。打ち合わせも楽しかったなぁ」とご主人。充実した家づくりを叶えられたから言える、本音の言葉である。
平屋建て+ロフトスペースのシンプルなプランだが、ディテールへのこだわりは深い。とくに暮らしの中心となるLDKには、二人の好きなものをギュッと詰め込んでいる。玄関から和室までをパブリックゾーン、LDKから奥はプライベートゾーンと位置づけ、空間をどう使うかを意識して設計。それがよく分かるのが広々とした玄関土間だ。ソファを据えて、ちょっとした来客ならここで応対が可能。相手にも失礼な感じを与えない。
室内壁には、鹿児島の気候環境に合わせたオリジナルの漆喰を採用。無垢材の床板は幅が広めのものをチョイス。カスタムオーダーした無塗装の建具ともしっくりと馴染んでいる。壁のムラ塗りや、雰囲気のあるキッチンカウンター、センスよく飾られたアイテムで、ジャンクスタイルを具現化した。新築なのに、長年住みこなした空間のように感じられる。長く暮らす空間だからこそ妥協はしない。そんな姿勢を貫く同社の心意気が見えるようだ。
【成建ホーム/鹿児島】