木の温もりに満ちたI邸に吹き抜ける空気は、まるで木立を縫う風のよう。広々とした平屋の住まいは、三和土や框(かまち)、障子に畳といった昔ながらの日本家屋らしい素材や造りが醸し出す雰囲気に、心の奥底まで安らぎを覚える。使われている素材の多くが実家の山の木。先祖が育て遺してきたものに支えられ、守られている我が家の居心地は、住む当人たちにとっても格別だろう。
友人の家の居心地が気に入り紹介してもらった住まいずは、出会ってすぐに意気投合し、即決できるほど相性のいいパートナーだった。実家の木の伐採や運搬、加工や乾燥といった作業を含めても高くつかず、モデルハウス・五季の家で造り手の繊細なこだわりを感じられたことも、信頼を深める要因となった。「結果的に最高でした」ご主人がそう笑顔で言い切るのには、「理想の家」というモノに対する満足感だけではなく、造る過程で得た楽しさと充実感もあったようだ。
というのも、家づくりの感想を尋ねるとご夫婦の口からエピソードが次々に出てくるのだ。例えば地鎮祭や上棟式といった節目の儀式。「家づくりの儀式は結婚式と一緒。自分たちにとっては我が子を施主様に嫁がせるようなものだから」と、業者も含め家づくりに関わるすべてのスタッフが勢揃いし、心ひとつに祈願したことが印象的だったそう。特に上棟式の日は風雪強い日だったそうだが、悪天候もなんのその。「会長さんのMCも面白くて、すごく楽しかったです。来られなかったご近所さんのところへ、棟上げの餅をわざわざ分けに行ってくださったのも有難かった」とお二人。また、引き渡しの日をご主人の誕生日に合わせるという粋な計らいもあり、当日は奥様の提案で密かに奥様と住まいずスタッフが連携。完成したばかりの新居をパーティ会場に飾り付けて、ご主人へのサプライズを用意したそう。ご主人はもちろん、ご家族にとってもいちばんの思い出になったようだ。
「『棟梁とも仲良くなってくださいね』と言われて、直接話せたのもすごくよかったですね」とご主人。度々現場へ足を運び、時にはコツを教えてもらってウッドデッキの板を張るなど自らも造り手となって楽しんだ。現場にお弁当を持参し、スタッフも呼んで皆で広げたことも忘れられない思い出だ。「『注文ばかりしてすみません』と言うと『いいんですよ、うちは注文住宅ですから』と。最後の最後まで要望に応えてくれました」とは奥様。顔を合わせるごとに心を通わせ、理想の家づくりを叶えた。入居後間もなく見舞われた台風では庭の木が倒れてしまったが、「こちらから連絡しようとしていたら、先に住まいずさんの方から連絡が来て『大丈夫でしたか?』と。びっくりしましたね」と、いち早い対応にも感心。何かあればすぐメンテナンスに来てくれるアフターフォローの充実ぶりに、家が完成した後もなお、信頼は深まっている。
【木づくり建築工房 住まいず/鹿児島】