平地が限られた鹿児島市には、斜面に沿って造成された住宅地が多くある。I邸が建つのも、そんな住宅地の一角。幹線道路から少し奥に入っているので、車通りも少なく日中でも静か。土地探しとビルダー選びを同時進行していたIさんが尾堂産業を知ったのは、本誌を手に取ったのがきっかけ。「当時は建てたい家のイメージが漠然としていたのですが、自然素材に包まれる雰囲気に惹かれました。実際に家を見て、話を聞いて使う素材の大切さを理解し、改めて尾堂産業の『木楽な家』で建てたいと感じたんです」。
同社が手がける『木楽な家』では、無垢材と漆喰壁のやわらかなコントラストや自然素材がかもす清々しい空気感、住み手の家事・生活のしやすさを徹底的に考えた家事楽動線が大きな特徴。初めての子どもが生まれて間もないご夫妻にとって、これからの家族での暮らしに必要な要素でもあったのだ。立地のメリットを活かしながら快適かつ豊かな時間を育める、そんなわが家が完成している。
両隣に住宅があり、一見すると窮屈な印象を受けるI邸。しかしリビングに入るとうれしい裏切りが待っている。大開口の掃き出し窓の向こうに望めるのは、ゆったりと横たわる錦江湾と半島の山並み。開放感ある昼間の景色もいいが、客船などの灯りがきらめく夜景も魅力。LDKだけでなく、浴室からもこの眺望を楽しむことができる造りになっている。
小屋裏風の2階フロアを設けているが、基本的には1階だけで生活が完結する間取り。和室を寝室兼用とし、限られたスペースを有効活用。洗面・脱衣室と隣接させているので、生活動線もスムーズだ。キッチンは動きやすさや広さを確保するため、あえて壁付けにした。リビングとの間に引き戸があるので、ダイニングキッチンを独立させることも可能。使い勝手に応じた収納も充実し、スッキリとした住空間につなげている。「ストレスが減って心にゆとりができたかも」と笑う奥様の言葉に、満足度の高さをうかがえる。
【尾堂産業/鹿児島】