仕事の関係で、10数年前から自然木を知っていたというSさん夫婦。以前から、同社の仕事ぶりを間近で見ていたこともあり、「真面目で信頼できる会社」と感じていたそう。家づくりのきっかけは、住んでいた家の周囲の環境が変わってきたこと。「それまでポツポツとしかなかったご近所さんが増え始め、陽当たりも悪くなってきたんです」と奥様。さらに、ご主人が同僚から住宅ローンの話を耳にし、「新築するなら今のタイミング」と決断。
陽当たりの良い土地を自分たちで探し、その敷地が、省エネを意識したパッシブデザインを進めるのに適しているか、同社に確認した。ご主人は、同社が、正確な位置情報を元に、1年間の陽当たりや日影のシミュレーションを行い、太陽光や風を効率よく取り込む自然派志向の住宅を作ることは充分理解していたので、「私たちのデザインの好みの雰囲気+自然木の性能で建てて欲しい」とリクエスト。夏、空調機をほとんど使わない住宅が完成した。
S邸のテーマは、「家遊び」を楽しむ。ゆったりと確保したリビングダイニングには、ハイサイドライトから明るく気持ちの良い自然光が注ぐ吹き抜けになっていて、子ども部屋、キッチン、主寝室をつないでいる。薪ストーブ横から出入りできるウッドデッキは、庭や菜園と連続する形で設けられ、サービスヤードとして使われるほか、ご主人のDIYの趣味スペースにもなる。すでに完成している、畑横の薪置き場や、ダイニングのテーブルは、ご主人、家族の共同作業でできたものだ。
リビングには薪ストーブを設置。手作りの薪置き場には、1年分の薪がすでにストックされている。理想的な「2年分のストックスペース」を確保しようと次の薪置き場づくりの準備が進んでいるとのこと。「子どもたちだけの時間帯が心配」と、前の家でも快適だったガス給湯床暖房も設置。階段周りに書棚と本読みスペース、楽器置き場を作り、リビングの周りに家族の集まる仕掛けになっている。
【建築工房 自然木(じねんもく)/鹿児島】