足もとに美しい木肌が広がり、浮づくりの床の心地よい感触が室内へと誘うN邸。木の温もりを贅沢に感じさせる室内には、間接照明や障子から注ぐやわらかな光が広がり、静かで落ち着きのある雰囲気が漂う。なかでも障子によって朧月のように淡い光をまとった和室の大きな丸窓は印象的だ。「和の雰囲気が好き」というNさんご夫婦の好みにピッタリとはまった『正匠』の家。わかりやすい装飾で演出された「和」ではなく、古くからの日本の建築様式に先人の知恵を借りた自然素材の生かし方や光の取り入れ方によって、そこはかとなく和の趣を感じさせる空間には、モダンな家具も不思議とよく似合っている。 収納や建具も、そんな全体の雰囲気と暮らす人の好みに合わせたオリジナルのデザイン。奥様の好きな水色のガラスを配したリビング戸や、お気に入りの焼酎をディスプレイする飾り棚、ご主人の蔵書をたっぷり収納できる本棚など、暮らす人の『らしさ』がさりげなく感じられる住まいだ。
新居に求めたのは、まず暮らす自分たちがリラックスできる空間であること。和室とも一体となれるLDKは、その広々とした雰囲気だけでなく、大きめに取った窓から屋外にも視界の開ける開放感が心地いい。収納が充実していて部屋が片付きやすく、モノが散らかるストレスから解放されるというのもリラックスできるポイントだ。
また、空気を良好に整え調湿作用もある古代漆喰を多用している点にも注目。居室だけでなく、ランドリースペースやトイレ、靴棚など湿気や匂いが気になる空間に積極的に取り入れ、その性質を生かしている。特にランドリースペースは、浴室の換気暖房乾燥機との併用で、洗濯物を夜に干せば朝には乾くというから嬉しい。ほかにも全館浄水器や電磁波が気にならないスーパーラジエントヒーターを導入するなど「健やかな暮らし」にもこだわったN邸。最高等級の優れた断熱性能による夏や冬の過ごしやすさを、これからの暮らしで体感するのも楽しみなご夫婦である。
【正匠/鹿児島】