室内に一歩入ると、木のやさしい香りが出迎えてくれるS邸。天然木をふんだんに使っているのは、黒松製材建設の家づくりの持ち味。とは、分かっていても、勾配天井が演出する伸びやかなリビングダイニングには、感動を通り越して迫力すら感じさせる。「黒松製材建設さんの家はしっかりした素材を使っていて丈夫と聞いていました。それで施工をお願いしたんです」。
実はこのS邸、設計事務所とのコラボレーションで完成したもの。ご夫婦がまず、今回の設計を担当した三宅建築設計事務所でプランを作り、ご夫婦の希望で同事務所を介して、黒松製材建設が施工を請け負ったのだ。黒松製材建設×三宅設計事務所は、別の工事では何度かタッグを組んでいる。しかし一般住宅となると、それとは違う難しさも。Sさんがより安心して家づくりに臨めるよう、施工が始まってからは三者で打ち合わせを行いながら進行。綿密にコミュニケーションが取られていたことも、ご夫婦の満足度につながっている。
S邸のプランはちょっとユニーク。一見すると一般的な平屋だが、その間取りにはオリジナリティーが組み込まれている。例えば収納。平屋であれば、細長い建物でもない限り、中心部はどうしても暗くなる。これをあれこれと工夫して採光を取るのだが、ここでは潔く、家の中央に大容量の納戸を据えた。ウォークインクローゼット+書棚や小物収納棚で合計約7帖分。両サイドから出入りできるので、動線を妨げることもない。
S邸ならではと言えるのは、お母様用の部屋があること。以前から、共働きのご夫妻をサポートするため、お母様が平日に子どもたちの様子を見に訪れていた。宿泊も多いため、新築を機に部屋を設けたという訳。二世帯まではいかないが、トイレや洗面も別途で設置。気兼ねなく過ごせる配慮がされている。「将来、両親と暮らす際や自分たちが高齢になったときも活用できますから」。未来を考えたプランは、家づくりの考え方の参考になりそうだ。
【黒松製材建設/鹿児島】