自作PCの販売や修理などパソコンの総合専門店を営むIさん。新居は一見パソコン店というより車屋さんのような様相を呈しているのがユニークな、店舗付き住宅だ。もともとはこの家の隣の敷地に店だけを構えていたが、現在の土地を購入したのを機に、店舗と住まいが一体の家づくりに踏み切った。そんなIさんの実家は『黒松製材建設』の近く。幼い頃からご近所さんとして親しみ、『黒松製材建設』が手掛ける木材や家の質を知っていたIさんが、家づくりのパートナーに『黒松製材建設』を選んだのはごく自然なことだったようだ。
車が好きで、お気に入りの愛車を眺めながら仕事ができたらと、1階の店舗は車が乗り入れできるよう出入り口の仕様や床の強度にもこだわった大空間に。また、仕事柄、集中して細かい作業をすることが多いことから、できるだけリラックスできるよう、壁や天井までふんだんに木を使用。「顔を上げると木の温もりに癒されます」とご主人も満足げだ。
2階が居住スペースとなるI邸。階段を上りLDKの戸を開けると、天井に交差する梁の力強い存在感に圧倒される。自然な曲線を生かした木の風合いや木組みの技法に思わず見入ってしまう意匠だ。もう一つ、目を引くのは吹き抜けの空間を生かしたロフト。はしごを上ってみると、そこには想像以上の大空間が広がっており、天井は低いが居室として充分機能できるスペース。実際、半分はお子さんが帰省するときの寝室として整えられてある。そんな住まいのなかで、Iさんがこだわったことの一つが木と漆喰のバランス。「すべてが木だと暗くなってしまうので」と、家族の集いの場所であるLDKは壁全面を漆喰仕上げにした。白壁が陽光や照明の灯りを受けて光を広げ、ひときわ明るい印象にしている。一方、最初は全面漆喰の予定だったトイレの壁は、上部は漆喰、下部は木板の腰壁に変更。空間の明るさと掃除のしやすさに配慮した選択だ。
「自分たちで一つひとつ考えて造った家。以前の家とはすべてが違う」とご主人。間取りや素材の取り入れ方から、収納や洗面台、テーブルの仕様に至るまで、一つひとつ自分たちの暮らしに最適なものを造ってもらった。特に奥様のお気に入りはキッチンで、食器や家電製品が無駄なく収まる収納は、用途に合わせて棚の高さを変えられるので使いやすく、作業もしやすいのだそう。余裕のあるサイズ感の鏡やカウンターを備えた洗面台も、家族数人が同時に身支度できる便利さがあり、扉のない洗面下収納は使いやすく、モザイクタイルでおしゃれに演出されているのも魅力だ。
新居での生活をスタートさせてまる一年。木や漆喰に囲まれた住まいは「湿気感や乾燥感がなく、冷暖房の効き方もこれまでと全然違う」と、その快適性を実感しているIさん。交通量の多い国道沿いだが、外の騒音が気にならない遮音性の高さも大きなポイントだ。
好きな車を愛でながら木の温もりに包まれて過ごす住まい。店舗と住まいが一体となったことで仕事の効率も良好になり、時間にも心にも余裕が生まれたのは大きな収穫だ。
【黒松製材建設/鹿児島】