アンティーク調の家具やナチュラルな雑貨がよく似合うフレンチカントリースタイルのM邸。「家を建てる予定はなかったんです」と話す奥様だが、「もし家を建てるなら」と思い描いていた憧れの家は、フランスの郊外にありそうな素朴で味わい深い輸入住宅。気がつくとインテリアやキッチンツールなど、「憧れの家」に置きたい雑貨が少しずつ増えていったのだそう。
そんな理想の住まいを建ててくれるビルダーが鹿児島にあると、偶然インターネットで知ったことから家づくりが現実になっていく。さっそく見学したインターデコハウスのモデルハウスで、デザインはもちろん、「キッチンから見渡せる広いリビング」「水回りをまとめてコンパクトにした家事動線」「キッチン横の主寝室」など、子育て世代にとっての暮らしやすさを実現した間取りまで理想通りだったため、ほとんど変更することなく現在の新居に活かされることとなった。
家づくりは家族にとって一大イベント。納得できる住まいを作るためには「おまかせ」するだけではなく、家族の希望をディティールまできちんと伝えることも大切だ。M邸でも、照明インテリアやアイアンの棚受けなどイメージに合うものをインターネットで探して提案することも多かったそう。だからこそ、これまで集めてきた雑貨類との相性抜群のコーディネートに仕上がったともいえそうだ。
実際の住み心地について尋ねると、「とても静かです」とご夫婦が声をそろえる。今年8月に薩摩川内市でも猛威を振るった台風のときも「音や揺れはほとんど気になりませんでした」というから驚きだ。デザインのみが強調されがちな同社だが、耐震構造や構造材という見えない部分のクオリティも忘れてはならない。かわいらしいだけでなく、世代を超えて住まいを受けついでいくヨーロッパの精神をお手本にした、高い住宅性能も魅力的なM邸だった。