シックな配色の外観デザインが醸す独特の雰囲気は、同社が得意とするナチュラル系とはちょっと違う印象を与える。エイジング感のある板張り風クロスや、ブラックアイアンを随所に配したコーディネートも見どころだ。
今回のデザインの大きなテーマは『インダストリアル』。住宅やインテリアにおけるインダストリアルを一言で説明すると、「飾り気のない工業的なスタイル」となる。無骨なカッコよさが話題になっているスタイルだ。しかし同社の提案は、ただカッコイイだけじゃない。機能性や快適性もしっかり押さえつつ、日々の暮らしを楽しめる空間づくりを実現している。
なかでも特徴的な空間はLDK。ブラウンを基調にした落ち着いた色味だが、屋根なりの勾配天井で広がりを感じさせ、トップライトが陽だまりのような明るさを演出。階段はストリップタイプなので視線は抜け、中心に据えられていても圧迫感はない。サイドにはエキスパンドメタルネットを採用。住宅の個性を高めている。
パブリックスペースはどちらかというと男性っぽいイメージ。訪れたゲストでも、奥様よりご主人がうれしそうに眺めている姿を多く見かけるそう。
一方で奥様にアピールしたいのはスムーズな動線配慮だ。LDKはゆったりとしたワンフロアでありながら、リビング、ダイニング、和室を階段がさりげなくゾーン分け。階段下が通路として使えるので移動しやすく、キッチンからダイニング→パントリー→洗面脱衣室→玄関ホールまでをつなぐ、大きな回遊動線も設けられている。
2階は、子ども部屋に使える洋間が2つ。そこからつながるバルコニーが用意されている。床材は1階と同じオーク材を用いているが、遊び心がたっぷりのクロス使いで、インダストリアルとはまた違う雰囲気に。シンプルな造りに加え、各部屋に小屋裏収納付き。子どもたちが独立した後は、趣味部屋や納戸など、ライフステージの変化に合わせた活用もかなえられる。
【白木建設/鹿児島】