日置市の住宅街に建つO邸。白い外観が爽やかな印象を与える。中へ入ると思わず見上げたくなる、天井の高い贅沢な吹き抜けの空間。上下7か所の窓が住まい全体へ陽光を届け、気持ちまで明るくしてくれる。そしてさらに心地いいのは、随所に使われている木の温もり。骨組みをすべて芯持材の4寸とし、床も無垢材で、収納にまで木(桐)が使われ、その調湿・防虫作用が生かされている。吹き抜けは1・2階間をつなぎ、異なるフロアにいることを感じさせないくらい、容易にコミュニケーションが図れるのも魅力だ。
間取りにも様々な工夫がある。例えば水回りの配置。キッチンの裏が洗面脱衣室で家事動線が良く、さらに洗面脱衣室はウッドデッキともつながっているため、洗濯物干しもスムーズだ。玄関からは、LDKだけでなく和室へも直接アクセスできるようになっていて、生活空間を見られることなく来客を通すことができる。歳をとっても暮らしやすいようにと寝室を1階に配しているのもポイントだ。
住まいごとに土地の特徴も違えば住み手の個性もそれぞれ。だから同社では、住み手の希望や想いはもちろん、土地ごとに違う風通しや陽当たりにも考慮した、オーダーメイドの家づくりにこだわる。そしてそれ以上にこだわっているのは、見えない部分の安心と安全、そして正確な施工。近年、当たり前のように謳われる「高気密・高断熱」だが、どんなに優れた断熱素材を使っていても、施工に少しでもズレがあるとその性能を充分に発揮できない。そのため同社では、全棟で気密検査を行い、施工の正確性をチェックしている。
また、阪神大震災をきっかけに早稲田大学との産学共同で開発された耐震・制振技術を導入。震度6強クラスを震度3程度の揺れに抑え、変形を抑制する装置を備えている。
ほかにも、シロアリを寄せ付けず、床暖房いらずの断熱効果を発揮する一体打設断熱基礎など、住まいの快適を支える様々な技術が、ここにはたくさん詰まっている。
【県民住宅/鹿児島】