緑の山々や畑を見渡せる自然豊かな場所。広々とした敷地に、美しい瓦屋根が目を引くS邸がある。玄関から中へ入ると、靴棚の向こうに出入り口がもう一つ。ランドリースペース、そして浴室へと直行できるように設けられたその出入り口は、農業を手掛けるご主人のため、また、ソフトボールをがんばる息子さんのために工夫されたものだ。土を付けて帰ってきても、ここから入ればランドリースペースですぐに着替えられ、さっとシャワーを浴びることもできる。動線がいいだけでなく、他の生活空間を無駄に汚さなくて済むというのも大きなメリットだ。室内干しもたっぷりできるゆとりの広さがあり、壁、床、天井と木をふんだんに使っている空間なので、その調湿作用によって空気中の水分を吸収し、洗濯物も乾きやすいそう。ランドリースペースのさらに奥は寝室になっており、住まいのなかでも特にプライベートな空間がまとまった間取りになっているのもポイントだ。
ご主人の同級生が黒松製材建設で家を建てた縁で、同社と知り合うようになったSさん。同級生の新築祝いの席で若い大工と意気投合し、「いつか我が家を建てるときには棟梁を頼むから」と励ました。それから修行の月日を経て、今回、約束した大工が初めての棟梁としてS邸を手掛けることになったそう。すでに打ち解けた間柄だったこともあり、打ち合わせは入念。「図面も何十枚と引いてもらいました」と奥様も振り返る。ご主人は毎日のように現場へ足を運び、一日一日完成に近づくのを見守ったそう。
そんな、つくり手も住み手も一丸となってつくり上げた我が家は「後悔は一つもない」と納得の仕上がり。前述のランドリースペースだけでなく、子ども部屋や寝室などどこでも行きやすい回遊型のキッチンや、洗濯ものを干したりバーベキューを楽しんだりと多目的に使えるウッドデッキ、充実の収納など、お気に入りポイントがいっぱいの住まいとなった。
【黒松製材建設/鹿児島】