Sさんが初めて旭住宅の家と出合ったのは、友人宅でのこと。「いろんな住宅を見るうち、無垢の木や漆喰壁といった素材の持ち味に惹かれていきました。そんな時に体感したのが旭住宅の家。居心地がよく、こんな空間で暮らしたいと思ったんです」。
同社がこだわっているのは、家とそこに暮らす人の健康。長い年月を安心して過ごせる場所であるために『呼吸する家』を推進している。九州産の一本スギを構造に採用している他、室内の仕上げには音響熟成木材、自然素材のみで作られた幻の漆喰など、厳選された素材ばかり。調湿作用や空気浄化といった特性を生かし、家も人も健康に過ごせる住宅を実現している。
さらにSさん夫妻が思い描くライフスタイルをかなえるため、丁寧なヒアリングと打ち合わせを実施。「窓の位置や動線がしっくりくるまで、図面を何度描き直してもらったことか」とご主人は苦笑い。住み手の熱い思いに真摯に応える姿勢と技量も同社の魅力といえそうだ。
これだけ広々としたS邸だが、部屋数はLDKと和室、主寝室、子ども部屋と最小限に収めている。子ども部屋のポイントは、勾配天井を生かしたロフトスペース。リビングに面した気配窓があり、ここから顔を出して遊ぶ様子が微笑ましい。「3人兄妹なので当初は部屋の間仕切りも考えていましたが、途中でまぁいいか、と一部屋になりました。成長に応じて、工夫しながら使っていきたいと思います」。
あえて玄関ホールを作らず、土間からすぐリビングにつながるレイアウトでLDKをより広く。その代わり、通り土間のように長く取って収納を設けたり、直接キッチンに出入りできる間口を設けたりと使い勝手のよさを高めている。特に、キッチンへダイレクトに行けるのは奥様に大好評。
「実際に住んで、改めて無垢の木や漆喰がもたらす心地よさを実感。浮づくりの床は、お風呂上がりに裸足で歩くとさらさらして気持ちがいいんですよ」と口を揃えるご夫婦。こだわりが生んだ快適な暮らしを楽しんでいる。
まず目を奪われるのは、LDKの天井の高さ。ゆったりとした両勾配が印象的で、一番高いところで5メートルほどあるそう。頂点へと視線を促す天井板や、堂々とした太鼓梁がダイナミックさを演出している。技術的にも難しい設えだが、同社が建てた他の住宅でこの両勾配を見たご主人が気に入ってリクエスト。家族やゲストが集まる場所にふさわしい、伸びやかな大空間に仕上がった。
さらに特長的なのが、キッチン横のフリースペース。個室への中廊下なのだが、大きく確保することで、光と風の通り道にもなる。水まわりの動線と十字路のように交わる間取りは、同社の提案の一つ。窓の位置を対面にできるので、光と風を室内に取り入れやすいのだ。
フリースペースにはパソコンデスクやクローゼットを装備。押入れほどの奥行きがあるクローゼットには、子どもたちの道具などをまとめて収納。外出時にもあちこち動かずに準備が進むので、時間にも気持ちにもゆとりが持てるように。
【旭住宅/鹿児島】