外国の住宅を思わせるマーブル屋根が目を引くN邸。ゆとりある敷地を効率的に使おうと、道路に面した庭を広く空け、ガレージへの車寄せとして活用する配置に。南に開口を取るため、アプローチからは斜めを向いた住宅の美しい表情を見ることができる。室内も外観同様、素材感を生かしたハイグレードな印象。天然の木や石をふんだんに用いた家づくりは、奥様が好きな海外ドラマの影響が大きいそう。「ドラマに登場する白い塗り壁や石張りの住宅での生活に、夢を膨らませていました」。
そんな時に成建ホームのショールーム前を通りかかり、「ここだ」と直感。それまで、いつかは建てたい…という憧れだったものが、同社の住宅に出会ったことで一気に具体的なものとなった。見学会などに足を運ぶうちに「新築でもクラシックに見せるなど、固定観念にとらわれない家づくりに興味を魅かれました。そこで我が家の大きなテーマである『ヴィンテージ』が生まれたんです」。
玄関に入ると、広々とした土間が続き、ホール越しに坪庭が出迎えてくれる。全体的に落ち着いたトーンの空間に、大きな窓からの採光が開放感をアップさせる。LDKは南面を存分に生かしたワンフロア。たっぷり射し込む光を漆喰壁がやわらげ、空間全体に回す。屋根の形状に沿った勾配天井ともあいまって、おおらかでやさしい雰囲気を醸し出している。同社コーディネーターからの提案でチャレンジした壁の石張りには、広いフロアをキリッと引き締める効果を感じさせる。スクラッチ加工を施した床材や、年月経過を感じさせる飴色の部材とのバランスも絶妙だ。
もともとアンティークの持つ独特な風合いが好きだったNさんご夫妻。パーツや照明にもこだわり、居心地よく過ごせる空間を上手に演出している点も見逃せない。こうしたセレクトを一緒に楽しみ、ときには施主以上に思い入れを持って取り組んでくれるのも、同社の魅力と言える。
平屋造りは、ご主人たっての希望。しかし今は、やんちゃ盛りの子どもたちの育児に奮闘する日々。子育て期間のこともしっかり考えてある。それは、生活や家事における動線配慮や、長い時間を過ごす我が家だからこその素材選びに現れている。例えば壁材。壁や天井に採用した漆喰は、調湿効果に優れ、耐火性・抗菌性が高く、メンテナンスもしやすい。とくに同社では、地元の気候風土に合わせたオリジナルの漆喰を使用しているのもポイント。以前は風邪を引きやすいと感じていたNさん家族だが、この家で暮らすようになってからは体調を崩すことがほとんどなくなった。「ムク材や漆喰といった自然素材が、空気をキレイにしているのかも。素材の力は侮れませんね」。
また、廊下を設けずLDKを介して各部屋へ行く動線は、奥へ行くほどプライベート度を上げている。パブリックとして使う空間とをさり気なく分け、暮らしやすい間取りになった。
【成建ホーム/鹿児島】