「おしゃれでバリアフリーな同社のモデルハウスを見てすぐにこれだと思いました」とHさん。「一生ものだから、土地選びは妥協しないで」というアドバイスを元に、1年ほどかけてじっくり土地選びから取り組んだ。
繁華街や文教地区にもアクセスの良い住宅街に見つけた土地は40坪弱。夫妻の希望は、将来子どもが巣立って二人暮しになった場合にも、リフォームをせずに勝手良く暮らせるような平屋だったので、リビングや水回り、寝室などを動線も良くまとめて配置。1暗部分だけでも生活ができるように間取りを工夫した。家の中心には明かり取り窓から自然光が差し込む吹き抜けのLDK。子どもを遊ばせながら家事ができるアイランドキッチンには、広めのカウンターやパーティション、壁一面に設けた可動式の棚、レンジフードなどを無垢の木で造り付けた。これらのオーダーメイドがLDK全体をナチュラルな雰囲気に統一しているが、ポイントをおさえてメーカーの既製品を設置することでコストにも嬉しい効果があるという。
限られたスペースを十二分に活用するために、H邸は廊下を設けていない。20帖のセンターリビングは家族が集いくつろぐ場所であると同時に、寝室や子ども部屋への通り道にもなっていて、常に家族が触れ合える間取りにした。吹き抜けを見渡す階段を上ると、小屋裏を上手に利用した約H帖の屋根裏部屋。開閉可能な大きな天窓やデザイン性を持たせたすべり出し窓があるので、採光性と換気は抜群だ。木目調の板にはフックを付けやすく、勉強机となるカウンターを設けるのも簡単。アイデア次第でいろいろな使い方が楽しめ、将来的には2つの個室にすることも可能だ。
LDK側の壁に開けた小窓は、吹き抜けを介して階下の家族と会話ができるほか、明かりがついていると「まだ起きている」のサインになり、1階にいても子どもの気配が分かるようになっている。子ども部屋やトイレは、ポイントとなる壁を1面だけ違う色にしたのが上品なアクセント。また、あまり腰が丈夫でない奥様のためにコンセントの位置を上げるなど、使いやすさも追求している。
【建築社/鹿児島】