玄関を上がり、LDKへの戸を開けるとまず感じるのは、広々とした開放感と優しい木の温もり。足もとにはサクラ材の美しい木肌が広がり、なめらかなコテムラの塗り壁も印象的だ。各居室の窓からはもちろん、天窓からも陽光の注ぐ明るい平屋の住まい。畳を敷いた小上がりの和ダイニングや、床を一段低くしたキッチン、LDKの中心で存在感を放つカウンターなど、個性的な設計が随所で目を引く。それらは決して奇をてらっているのではなく、一つひとつに理由があってかたちになったもの。和ダイニングは、これまでのライフスタイル同様畳の寛ぎを大事にしたかったから。床の低いキッチンは、コミュニケーションが取りやすいよう和ダイニングと目線を合わせるため。カウンターは、家事や宿題が気軽にこなせるようになど、それぞれに明確な意図がある。可愛らしいデザインの洗面台や、壁に淡いピンクの塗りを施したトイレ、秘密基地のようなロフトなど遊び心も加わって、オリジナリティの光る唯一無二の住まいを叶えている。
「モデルハウスなどいろいろ見学に行ったのですが、子どもが新築の匂いを嫌がって。でも自然素材の家だとそれがなかったんです」。そんなお子さんの反応から、家づくりのポイントが自ずと自然派住宅へ絞られていったというAさん。最終的に同社を選んだ決め手は、安心できる素材を使っていることに加え、希望のコストに抑えられたこと、そしてきめ細かな対応にあった。「見積もりもすごく丁寧で、信頼できると感じました」とご夫婦は振り返る。
A邸の魅力は、自然素材の家であるうえに、気密性・断熱性に優れ「通気」にも配慮された「通気断熱WB工法」という点にもある。湿気や化学物質、生活臭は、壁を通り抜け壁内の通気層から外へ逃がせるようになっており、さらに温度を感知して自動開閉する通気口が、夏は無駄な熱を排出し、冬は熱を逃さぬよう自動調節する。いわば自ら室内環境をクリーンにし、季節に合わせて衣替えする住まい。冷暖房の使用も抑えられ、省エネで環境にも優しく暮らせる家だ。
【KURA匠 (くらしょう)/鹿児島】