今回、JA住宅が手がけた鹿児島市のO邸は、現代の建築技術に伝統的な日本の暮らし方やデザインを取り入れた和モダンの家。和風建築の特徴の一つに、無駄のないシンプルさと自然素材の温もりある風合いが共存する空間であることがあげられる。O邸でも、すっきりとした大屋根に白の塗り壁と木目を効果的に配置して、スタイリッシュでありながら落ち着きを感じさせる外観になった。室内では統一感のある木製家具を造作するとともに、建替え前の家で使われていた格子の建具を再利用して、どこか懐かしい雰囲気に仕上げている。
構造材として使われている「認証かごしま材」は、鹿児島で育ち、県内の認証工場で加工された高品質の乾燥材。鹿児島の気候・風土に適しているだけでなく、地元の木材を使うことで輸送時に排出されるCO2を削減することもできる。認証かごしま材の家は環境に優しい住宅でもあるのだ。
家事動線や間取りでも無駄を省いた使いやすさを実現。家事動線を考える場合、「料理」「洗濯」「家の出入り」の3つがポイントだ。O邸では、キッチンを中心として、この3つの動線をスムーズにする工夫が見られる。キッチン背面にはワイドなカウンターを造作して広々とした調理スペースを確保した。キッチンの左側に階段を挟んでバスルーム、右側には1・5帖のパントリー(食品庫)が用意されているので、食材やキッチンツールもすっきり収納。パントリーはそのままシューズクローク、玄関へとつながり、買い物帰りに玄関から直接パントリーに荷物を置くことができる。また、パントリー内に勝手口もあるため、ゴミ出しの動線もシンプルだ。
1階の和室は主寝室としても利用。そのため、和室横にウォークインクローゼットを配置した。多目的に使える和室は、ゲストルームのほか、プレイルームや家事スペースとしても活用できる便利な部屋。和の趣を楽しむ部屋でもある。
【JA住宅(JAグループ)/鹿児島】