近くを川が流れる穏やかな環境に馴染むやわらかな色合いに、木目調の玄関ドアとウッドデッキを合わせたナチュラルな雰囲気が印象的なT邸。ご主人の親戚の方が建てたヤマサハウスの住まいを訪れた際、その堂々とした柱や梁に惹かれて同社での家づくりを決意したTさんご夫婦。希望したのは、子育てがしやすく将来的にも動きやすい平屋建ての家だ。
全てが同じフロアにある平屋建ての家は空間が上下に分断されることがないため、移動が楽なだけでなく家を広く感じられるメリットもある。勾配天井の吹き抜けから光をたっぷり取り込むT邸のリビングは、キッチンや6帖の和室が一体となった開放的な空間。白を基調とした室内には、8枚ガラスのリビングドアやモザイク柄のペンダントライトなど奥様好みのカントリーテイストがさりげなくレイアウトされ、シンプルな中に華やかさをプラスしている。このリビングを中心に、水回りや家族のプライベートスペースが配置されているので、家族のコミュニケーションも生まれやすい。
平屋建て、センターリビングの住まいは家事動線もシンプル。バスルームと脱衣室はキッチンの横に配置されているため、料理や洗濯など負担の多い家事を同時進行で行うことができる。脱衣室には、その場で洗濯物を干せる機能を充実させているが、外干しする際の移動もスムーズなので普段はウッドデッキを物干し場として利用している。また、奥様お気に入りのワイドな対面キッチンは作業しやすく、もうすぐ3歳になる娘さんも一緒に料理のお手伝いをしてくれるそう。キッチン奥には、この春から幼稚園に通うことになった娘さんの幼稚園グッズを作ったりするソーイングコーナーを造作してもらった。
屋根に乗せた太陽光パネルでエネルギーを作り出し、高性能住宅ならではの高い断熱性能で冷暖房費を抑えるT邸は、年間の一次消費エネルギー量の収支ゼロを目指す「ZEHの家」でもある。もちろん、電力に頼るだけではなく、風の通り道や採光に配慮された窓の配置で自然のエネルギーも上手に取り入れる住まいだ。
ご主人の一番のこだわりは、リビングで大迫力の映像と音を楽しむ「リビングシアター」。普段は大画面のテレビで番組を視聴しているが、好きな映画を観るときははさらに大きな120インチのスクリーンを下ろしてプロジェクターに映し出す。リモコンひとつで大画面スクリーンが自動開閉されるタイプだから、使わないときにスクリーンが邪魔になることはない。スピーカーは全部で7つ設置した。「スクリーンに映る映像の迫力はもちろんですが、音の臨場感が格別ですね」とお二人。
家族が集まるリビングをシアタールームにする場合、観たいときにいつでも映画館さながらの雰囲気を味わうための工夫も必要。T邸ではリビング周りの生活用品を隠せる大容量の収納スペースを用意したり、テレビを壁付けにしてすっきり見せたりと、生活感を感じさせない空間づくりを心がけた。また、和室を家族のリラックススペースとして利用。襖を閉めることで逆にリビングシアターの独立性が高まり、集中して映画が鑑賞できるというわけだ。
【ヤマサハウス/鹿児島】