37坪強の延床面積を持つ平屋造りで、室内の各スペースにゆったりとした広さを持たせた贅沢な間取りが魅力のU邸。白を基調にしたリビングダイニングには8帖の和室がつながり、広々としていながらメリハリのある空間に仕上がっている。広い平屋建ての場合、家の中心部分に光が入りにくくなりがちだが、U邸では勾配天井の吹き抜けに高窓を設けることで明るさを確保。また、リビングドアなど室内ドアに天井までの高さがあるフルハイドアを採用することで下がり壁がなくなり、室内をよりすっきりと見せることに成功している。
通り土間風の玄関は、自転車やベビカーなど外で使うものをそのまま置いても気にならないフリースペースだ。大勢のゲストが訪れた際にも窮屈さを感じさせず、大容量のクロークのおかげでアウターの収納にも困らない。常に片付いた状態を保つことができるので、ディスプレイなど「魅せる」楽しみが広がるスペースでもある。
ひとつながりのパブリックな空間と家族のプライベート空間を明確に分けつつ、最短ルートで周回できる家事動線を凝縮させたU邸は、おおらかでいて機能的。そんな言葉が似合う住まいだ。
開放的なアイランドキッチンは奥様のリクエスト。オープンなキッチンとリラックスできるソファーダイニングとの組み合わせが、くつろぎのダイニングシーンを演出する。背面のスライドドア付き収納ユニットに食器類を納め、横の戸棚の中にゴミ箱を置くことで上手に生活感を隠しているのもポイント。陽当たりの良い南側には、奥様が趣味のソーイングや家事を行うユーテリティーを配置した。このユーティリティーから、寝室、子ども部屋、洗面脱衣室、そしてリビングと、キッチンを中心にしてぐるりと回遊できる間取りで生活動線をスムーズに。段差が少なく、動きやすさが特徴でもある平屋の家での生活をさらに快適にしていると言えそうだ。
【センチュリーハウス/鹿児島】