床板一枚一枚に刻まれた年輪が物語る、悠久の時。心癒される肌触りと温もり。「木」という素材が醸し出す、力強くも優しい安心感が贅沢に満ちるG邸は、先祖の想いが息づく実家の山の木を材料にして建てた家。ご夫婦それぞれの実家に山があり、そこに植わる木を使って我が家を建てたいと考えた時、ご主人の頭の中にまず浮かんだのが「住まいず」だった。話を聞いてみようとモデルハウスを訪れたのは夏。エアコンをあまり使っていないのに涼しく、木や漆喰壁の温もりある質感にも心惹かれた。また、「先祖の山の木を使ってもらえるのはもちろん、それによって山の活性化を図るという、環境保全への想いにも共感できました」とご夫婦は振り返る。
家づくり開始当時は種子島に住んでいたため、我が家が出来上がる工程を現場で見ることはなかなかできなかったが、建築中の写真を送ってもらうなどのまめなやり取りで、遠距離ながらも安心の家づくりを叶えた。
「緑を感じられる家」それはG邸のこだわりの一つ。造り込み過ぎずあえて野山感を出した庭は、四季折々に表情を変え、目を楽しませてくれる。リビングには大きな窓があり、壁に引き込んで全開にするとダイナミックに庭とつながる空間。緑や土の匂いを運ぶ風に、四季の肌触りまで豊かに感じられる日常がある。玄関を開けて正面に見える小さな中庭も見どころで、まるで絵画のように空間を彩り、季節で変わる風景に「今日はあの花が咲いてたよ」と家族の会話も自然と生まれる。
ほかにも、充実の本棚を造り付けたスタディコーナーや、家事動線上に設けられた便利な家事室、子ども部屋にある秘密基地のようなロフトに、使い勝手良く高さを変えられる住まいず製のテーブルまで、注目ポイントがいっぱいのG邸。家族で木を切り倒した伐採式で、「じいちゃんの植えた木を使ってもらえる」と親御さんに喜んでもらたえのも、忘れられない思い出だ。
【木づくり建築工房 住まいず/鹿児島】