ピョコッと飛び出した2階バルコニーが目を引く外観デザイン。白木建設の新たな提案を盛り込んだ分譲モデルハウスは、その名も「キューブバルコニーの家」。アプローチから外壁のサイディングにも木目調といったナチュラルさを加味し、これまでとはひと味違うテイストで見た目にもこだわった一棟となっている。
同様に、住空間も個性豊かな設えとした。玄関ホールからリビングへの通路は、壁の一部を丸ごとオープン棚に。見せる収納は個々のスタイルを反映でき、インテリアのアクセントとしても活躍するはず。
また、リビングドアを開けておけばホールからのつながりを感じられ、間仕切りがあるにも関わらず、フロアの一体感を演出できる。そこから伸びる階段には中2階を配置。その2帖ほどのフリースペースは、ほどよく目隠しされているため、ゲストからの視線も気にならない。書斎としても勉強机としても使い勝手のいいサイズ感は、住み手にとってうれしいポイント。
この家の最大の特徴はスキップフロアにある。前述の中2階のほか、リビングは30㎝ほど低くなった掘り下げタイプ。その分だけ天井が高くなり、広がりのある空間に。
ソファーに腰掛けた際、目線に窓が入らない配置も注目したいところ。道路からの視線をカットする狙いもあるのだが、横長のスリット窓を用いてあえて採光を抑えることで、落ち着きと安心感を獲得している。「リビングは明るく開放的に」という固定観念を外したら、こんなに自由で安らげる空間が生まれるのだ。
自由度の高さをピックアップするなら外せないのが、一部の壁に採用したウッドシングル貼り。屋根の葺き方でも見られる手法だが、これを壁に持ってくるところが新鮮で面白い。さらに床や天井の板を斜め張りにすることで、リビングの独立性を強調している。住み手にとってリビングは日常的な場所のはずだが、この家では非日常も味わえるスペースになりそうだ。
アイランドキッチンからダイニングテーブルへ、ストレートでつながるラインも魅力的。そのスマートな流れを、天井のLED照明が際立てている。デザイン性のある埋め込み式照明は、職人の高い技術が必要。こうした職人を多く抱えているのも同社の強みと言える。
2階はプライベートフロア。主寝室、子ども部屋のほかに、和室があるのもユニークだ。通常なら1階にレイアウトされるのだが、今回の分譲モデルハウスでは庭の広さを確保したかったため、このような配置に。小上がりのシンプルな空間は、窓からの開放的な眺めも相まって、旅館の一室のような雰囲気。客間としても、セカンドリビングとしても寛げるスペースになるに違いない。
こうしたスキップフロアを多く持つ家は、断熱を取るのが難しい。しかしそれをZEHできっちりと仕上げられるのが同社の施工力の高さ。個性あるデザインと技術を体感できる一棟となっている。
【白木建設/鹿児島】