Hさん家族が『黒松製材建設』を知ったのは、知人が新築した住宅を介して。木づくりの雰囲気と丁寧な仕事ぶりの評判を聞き、「ここなら建てたい家ができる」と依頼を決意。土地は以前から決めており、地元の花火大会が一望できる高台。プランの要望には、景観を含めて「暮らしを楽しみたい」というHさんの思いも込められていた。
完成したH邸は、木の質感を存分に生かした温かみのある空間が印象的。構造材などにはおばあさまの山の木を使い、珪藻土の塗り壁を採用することで、よりやさしい雰囲気に仕上がっている。これまでの住宅と違う点を尋ねると、「冬場の温かさ」との回答が。断熱性能はもちろん、天然の素材がもたらす調湿機能も温かさに貢献している。「子どもたちは冬でも、寝ている間に布団を蹴飛ばしちゃうくらいです」と奥様。一方で、夏は風通しもよくさらりとした空気に包まれる。冷暖房器具はエアコンのみだが、それすらシーズンに数回しか使わないほどだ。
家族が過ごす時間の多い1階は、リビングダイニングを中心にした間取り。食事は座敷で…との習慣から、ダイニングは座卓を。それに合わせて、キッチンのカウンターデスクも低い位置に設置。足元を掘り下げているので子どもたちも座りやすく、宿題や読書スペースとして活躍している。LDKは吹き抜けを持ち、ウッドデッキとあいまって開放感たっぷりの空間になった。水回りはキッチン背面に集約して家事動線を短くした。さらに洗面・脱衣室から、外干しのウッドデッキへつながる勝手口を用意し、洗濯しやすい環境にも心を配った。
2階も開口を大きく確保した。とくにベランダは、花火大会の特等席だ。昨年はみんな揃って鑑賞し「狙いどおり、美しい花火を快適に楽しめました」と満足そう。お父様が大工をしている影響で、木工が得意なご主人は庭の鉄棒やリビングのブランコを手作り。こんな作品がしっくりと馴染むのも『黒松製材建設』職人の技と心が込められた木の家ならでは、と言えそうだ。
【黒松製材建設/鹿児島】