閑静な住宅街でひと際目を引く、オレンジ色のレンガの家。のどかなカナダの風を呼び込むようなその住まいが、築15年のM邸だ。普段ご紹介するのは新築物件が多いが、今回は、年数を経た住まいがどのように味わいを増しているか拝見する機会を得た。15年前、輸入住宅に憧れて様々なメーカーを見学したMさんご夫妻は、『セルコホーム』に施工を依頼した。資材や建具を自ら調達し直輸入するセルコホームは、人件費・広告費も抑え適正価格で施工を実現するため、輸入住宅に憧れる顧客にとって依頼をしやすい存在だ。
特に定評があるのは、オーストラリア製のセルコレンガ。土・粘土に砂糖を混ぜ合わせて独特の風合いを出し1200度の熱で焼き上げるため、カビ・コケがつきにくく、手入れがいらない。「完成当時より現在の方が趣きが出て、愛着が増しています」と微笑む奥様の台詞も納得の外観だ。
M邸はこれまで、メンテナンス費用がかかっていない。それには単なるデザイン性だけではない特性がある。まず、2×6の枠組壁工法の強さ。軸ではなく面で家を支え、従来の約2・5倍の断面係数を誇るこの工法は、東日本大震災でも全壊・半壊ゼロという実績を残した。経年による歪みも生じにくい。また、M邸で驚くのは、カーテンやクロスが新築当時と変わらず劣化が見られないこと。24時間換気システムにより湿気が少なく、開口部に隙間を作らず結露を防いでいるためだ。壁が厚い分、断熱材も多く使用でき、ツーペアの窓ガラスもアルゴンガス入りで断熱性が高く、台風でもびくともしない強度だ。また、セントラルヒーティングで家全体を温められるため、「寒い日でも家全体が温かく、トイレや洗面に行ってもひやっとしない」。高齢者に負担の大きいヒートショックも、この家では起こりづらい。
外観の美しさが目を引くM邸だが、ご家族のお話を伺うと、外観以上に中で「住み続ける楽しさ、快適さ」が何よりの満足感に繋がっているのを感じた。家族の物語が紡がれる日々に、静かに佇み寄り添い続ける住まい。これからもその味わいは深みを増していくに違いない。
【セルコホーム鹿児島南(カナダプレイス)/鹿児島】