「今まで住んでいた家には子ども部屋がなかったんです」と言うSさん一家は、先のNさんご家族と同じく子ども4人の6人家族。ご主人は農業を営んでおり、中学生と小学生の子どもたちもそれぞれスポーツに励んでいるため、家族が全員集まるのは朝食の時間と夜の9時過ぎなのだそう。そんなご家族が暮らす「黒松製材建設」が建てたS邸は、広い敷地を贅沢に使った平屋建て。リビングを中心にしたパブリックスペースと家族のプライベートスペースを一本の廊下がつなぐシンプルな間取りが特徴だ。
家族が集まるリビングにはソファーセットやダイニングテーブルなどの家具を置かず、家族がそろったときにも広々と使える空間に。キッチンは、帰宅時間の違う子どもたちの食事の準備がやりやすいよう、また、家族と会話しながら料理できるように対面スタイルを採用した。キッチンの横には大きな食品庫を配置して、食品のストックや普段使わない食器類の収納に利用している。
玄関ドアとは別にシューズクロークへ直接アクセスできる勝手口が用意された土間風玄関は、収穫した野菜の置き場所としても便利。また、リビングへつづく上り口のほかに、ウォークスルーの食品庫を抜けてキッチンへつながる裏動線が設けられているため、買い物帰りに食品ストックをすぐに収納することも可能だ。
「家族が帰宅したとき必ずリビングを通るように」と、それぞれの部屋はリビングから真っ直ぐに伸びる廊下の両側に並べられている。その廊下の一番奥にバスルームなどの水回りが配置されているのだが、ランドリー室としても利用される洗面脱衣室にはかなりの広さを確保した。S邸の洗濯物は毎日大変な量だ。それらを室内干しできるスペースと、乾いたらすぐに収納できるクローゼットを隣接させた回遊性のある配置で、洗濯にかかる家事負担を軽減させた。広いスペースがあることで、子どもたちがお手伝いしやすくなるというメリットも見逃せない。
【黒松製材建設/鹿児島】