木の住まいを以前から希望していたMさん夫妻。「いつまでも暮らしやすい家づくり」のため選んだのが、良質素材で知られる『楽しい家』だ。自然を感じつつのびのび過ごせるよう、空間にはできるだけゆとりを持たせ、採光用の窓も多めに設置している。あちこちから降り注ぐ自然光に漆喰の自然な白色が反射して、照明がなくても明るさは充分。
毎日の生活は1階がメイン。やや細長い地形を利用して、玄関から入ってまずリビングダイニング、そしてその奥に2つの子ども部屋を配置。どこにいてもリビングを通るので互いに声を掛けやすく、家族が自然と触れ合える間取りになっている。2階は収納と家事室が中心。なかでも和室と接するサンルーム+広いベランダは洗濯物干しに最適で、取り込んだ後は向かいのウォークインクローゼットへ。その間にある長い廊下の天井にも物干用ポールがあるため、一時置きスペースとしても申し分ない。大容量の収納もあり、整理整頓も楽々だ。
ご主人が一番こだわったのが小上がりの和室。いつでも横になれるように、床は少し高めの位置に仕上げている。大人が腰を下ろすのに最適な高さで、椅子としても使えるよう配慮。一部を掘りごたつのように空け、座ってテーブルを囲むこともできる。床下には収納もあるから室内はいつでもスッキリ。天井のロールスクリーンを下ろせば個室に早変わりする上、冷暖房効率も高まり一石二鳥。ごろりと横になれば竹炭入り清活畳の爽やかな香りに包まれ、リラックス効果もさらに倍増だ。
ご主人のこだわりは玄関框やコンセントにも反映されている。基本は「腰に負担をかけない」。上がり框は左右の高さを変え、昇り降りから靴の着脱まで本人が使いやすい高さの方を使うことができる。コンセントの位置は全体的にやや高め。いちいち屈まなくていいので、作業もスムーズだ。
M邸の魅力の一つは造り付け設備の充実。建具や収納、キッチンなどほぼ全てがオーダーメイドなので、使いやすさが桁違い。いずれも金具を極力使わず、滑らかな木の手触りが楽しめるのが特長だ。収納一つ取っても設置場所や容量、収納物、扉の開閉方法まで入念に考えられている。
オーダーメイドのキッチンは奥様のお気に入り。なかでもワークトップと高さを揃えたカウンターがお菓子作りに最高だそう。広いカウンターは多く焼いたクッキーを冷ましたり、生地をこねたりするのに使い勝手が良く、幅広く活用できる。キッチンのスタイルは作業スペースを広めに取れるL字型。デッドスペースになりがちなコーナー部分の収納を有効に使うため、引き出しがキャスター付きワゴンとして使えるよう工夫されているのも見逃せない。毎日を快適に過ごすためのアイデアが随所に詰まったM邸は、注文住宅の素晴らしさを心から実感させてくれる。
【楽しい家/鹿児島】