穏やかな小春日和の日、漆喰の清潔感あふれる白い壁とオレンジ屋根の可愛らしいA邸を訪れた。玄関を入ると床から天井まで、森の中にいるような木のぬくもりを感じる空間が広がる。郵便物などポスト口から直接家の中へ入る仕組みにも思わず脱帽だ。外から帰ってきた時にすぐに手を洗える壁付けライトのある手洗いや、たくさんの棚を設けた大容量の造作のシューズボックスなど、子育て世代には便利で嬉しい機能がいっぱい。スリット窓や玄関扉の窓からの光は明るくおしゃれで、さりげなく設置されているニッチも楽しい空間に。
南側のLDKは、リビングを勾配天井にすることで開放感がアップ。光の降り注ぐダイニングも明るく、キッチンの目の前にあるので子どもたちの様子も見えて安心だ。隣接する和室は、職人の腕を活かした美しい造作の引き戸をあしらい、半帖畳とダウンライトで、落ち着いた和の空間を演出している。
「家づくりで考慮したのは子どものアレルギーでした」とご主人。3〜4年前からあちこちの展示場を回り、アレルギーを持つ子どもに対応した家を探していたところ、音響熟成木材と幻の漆喰を使用した「楽しい家」に出会った。
南九州産の杉にクラシック音楽を聴かせてじっくり熟成乾燥させた木は、香りはもとより保温・保湿・抗菌作用にも優れている。また「浮づくり」の床は、年輪を浮かせることで梅雨の時期でもサラッとして柔らかい。家の漆喰壁は、プラス3℃で空気中の化学・有害物質を吸着分解し、天然の空気清浄機の役割を果たしてくれる。
一階のキッチン奥のウォークインクローゼットから洗面、ランドリールーム、バスルームまで一直線にまとめられたプライベートな動線も機能的で使いやすい。
陽当たりの良い庭で「野菜やお花を子どもたちと育て始めました」と笑顔で話す奥様。ご近所には両家の実家もあり、親子三世代の笑い声のする楽しい時間が始まったようだ。
【楽しい家/鹿児島】