I邸でまず特筆したいのが、二世帯住居でもないのに玄関が2つあるということ。1つはお客様用、もう1つは家族用と、パブリックとプライベートを分け、生活感が出がちな玄関まわりがすっきり。しかも、玄関から直接和室へと続く扉があるので、来客時にリビングを通さずに案内できる。また、家族用の玄関すぐ横に洗面スペースを設け、帰宅後すぐに手洗いうがいができたり、汚れて帰ってきた子どもが直接浴室へ行くことができたりとライフスタイルにフィットした工夫が。その動線上にはサンルームや収納も設け、物干しや取り込んだ後の片づけも実にスムーズだ。
家族が憩うリビングは20帖以上もある広々空間。キッチンからはリビングも和室も見渡せる配置になっていて、まだ幼いお子さんが遊んだりお昼寝したりする様子を家事しながら見守ることができて安心。主寝室を1階にしたのも正解。主な生活拠点を1階に置き、2階は将来の子ども部屋と収納部屋としている。
玄関のステンドグラスやおしゃれなペンダントライト、美山の窯元で作った陶器を使用した洗面ボウル、ウォークインクローゼットのたんぽぽ柄の壁紙など随所に個性が光るI邸。白を基調にしつつ自分たちらしい要素を散りばめ、どの空間にも彩を添えている。「自由度が高く、間取りをはじめ壁紙や小物選びも楽しみながら家づくりができました」と奥様。担当者との打ち合わせや現場での棟梁とのやり取りも含め、納得の家づくりができたと満足の様子だ。
安心・安全の構造も大きなポイントだった。以前の住まいが台風での被害を受け、耐震性や耐久性に不安を覚えたのが家づくりのきっかけで、木+鉄で作る丈夫なテクノストラクチャー工法を選んだ。実際住んでみての感想を尋ねると、「エアコンの効きが良く、防音性に優れていて室内が静か。機能性の良さを実感しています」とにっこり。傷がつきにくい床や汚れが落ちやすい壁紙など、メンテナンスのしやすさも働く主婦に嬉しい。
【タマルハウス/鹿児島】