のんびりとした田園風景にあって、シンプルな生成の漆喰をまとった外観がひときわ目を引くF邸。自然素材をふんだんに用いた唯一無二の家づくりを提案している成建ホーム。Fさんご夫婦が選んだのは、新築ながら長年住み慣れた我が家のようなアンティーク感を演出する『ラフェルム』の住まいだった。その中でも白を基調としたデザインで、南欧の海辺に建つ家をイメージしたのが『リヴァージュ』。素朴で明るさを際立たせた造りは、子育てにも将来の夫婦二人暮らしにも楽しさをもたらしてくれる。
もともと成建ホームの造る住宅のファンという奥様は、同社が取り扱いを始めたラフェルムシリーズにいち早く注目。「リヴァージュはかわいらしいけど子どもっぽくない。加えて、成建ホームのスタッフや職人さんたちが、素材やデザインの細部までこだわる姿勢にも魅かれました」と話す。担当プランナーとは同年代ということもあり、家づくりに対する思いを遠慮なく伝えられるのも心強かったそう。
子どもが独立した後の暮らしを考慮し、より生活しやすい平屋造りに。ご主人と奥様の要望が盛り込まれたレイアウトは、コンパクトな動線をはじめ、家族の使い勝手を考えた設備や収納が特徴的。特に収納はたっぷりと確保してある。たとえば、バスルーム横には日常使いの衣類を収めた更衣室的な納戸を配置。おかげで洗濯物をしまう際の時短になるし、季節ごとの衣替えも不要。極め付けは「お風呂上りにすぐ着替えられるから、室内をだらしないカッコでウロウロしなくなりました」。
こうした隠す収納を有効活用する一方で、リビングやキッチンには『見せる収納』を採用している。奥様によると、あえて見せる部分を設けることで、自身の怠慢予防にしているのだそう。また、キッチン裏にはパントリーを兼ねた家事室を設けた。室内には冷蔵庫やオープンな食器棚もあり、ライフスタイルに合わせた「見せる・隠す」のメリハリを持たせたアイデアが盛り込まれている。
室内に一歩入ると、温かくてやわらかな印象を受けるF邸。理由の一つは、壁や天井の漆喰にある。同社が鹿児島の気候風土に合わせて調合したオリジナルの漆喰を用い、むらのある塗り方で優しい風合いを演出。この漆喰に自然光が乱反射し、ふんわりとした明るさに。夜は照明の灯りが作る陰影が安らぎを与えてくれる。さらに、インナードアや造作棚といった木製建具の色使いも絶妙だ。これはF邸のためにブレンドした色。白ベースのシンプルな住空間に、色で個性を表現できるのもリヴァージュの魅力的なポイントと言える。
「家族が集まるリビングダイニングは開放感を大切にしたくて」とご主人。リビングには吹き抜けを採用し、庭や和室など横へのつながりで広々とした空間を作り出した。ダイニングの天井に現した梁は、カーブ&スクラッチと呼ばれるアンティーク加工がアクセントになっている。無垢の木を使った床材も同様に、職人による手作業で、一つひとつ丁寧に仕上げられていった。
【成建ホーム/鹿児島】