建築社が今回施工したN邸は、中央にサンルームを配置し、左右にそれぞれが暮らす二世帯住宅。外から見ると、雰囲気のあるサンルームが外観とマッチし、何かのショップかと思ってしまう。二世帯で共有している部分は、サンルームと、その裏にある脱衣所・浴室のみ。サンルームを囲むようにそれぞれのLDKが置かれていて、家族の気配をどこかに感じることができるので、まだ小さな子どもたちや、ご両親世代も安心して暮らすことができる。サンルームは、子どもたちがビニールプールで遊んだり、家族や友人とバーベキューを満喫したりするなどさまざまな使い方ができ、家での楽しみ方がグンと広がったそう。
脱衣所は、片方のドアを施錠すると、それが「入浴中」の合図だそう。洗濯機はあえて2台置き、それぞれのペースで洗濯できるのもストレスフリーのポイントだ。ちょうどいい距離感のある二世帯住宅は、それぞれのライフスタイルを大切に守ってくれる。
「たとえ親子でも、生活のリズムが別だから」とキッチンを分けたのは大正解だったという。調理器具や動線、インテリアの趣味も、奥様とお母様とは同じではないためだ。ちなみに奥様は模様替えが好きで、いつでも思い立ったときに模様替えに取り掛かるのだそう。そのためキッチンの背面は、簡単なカウンターのみを造り付けてもらった。上下にはこれまで集めてきた木箱を、パズルのように気分で組み合わせて、収納棚として活用している。「これなら転勤の際も、引っ越しが手軽にできて便利です」。
LDKは、床や天井、腰板などに無垢材をふんだんに使用した。「人に優しい自然素材は、年月とともに味わいが増す経年美化も楽しみです」とNさんはうれしそうだ。インテリアは、昭和レトロをイメージしたダークブラウンを基調として、落ち着いた雰囲気に仕上げた。今までコツコツと集めてきた家具や雑貨も、まるでずっとそこにあったかのように、すんなりと溶け込んでいる。
奥様の「好き」を集めた洗面所は、白のモザイクタイルでシンプルに明るく造り付けた。硬質な雰囲気のあるタイルや、真鍮のひねる蛇口など、奥様の好みを汲んで、同社が用意してくれたパーツが効いている。「建築社さんは、私たちの好きなスタイルをとても良く把握してくださったので、大満足の家づくりができました」と話す奥様。スマートフォンで手軽に、CGシミュレーションを用いたトータルコーディネートを確認することができたのも良かったという。「資材の見本だけ見ても、実際に使用したときの全体像については、なかなかわからないですよね。その点3Dのシミュレーションはとても参考になりました」
N邸は元々、奥様の祖父母の家があった場所に建つ。大好きなおじい様とおばあ様への感謝の思いを込めて、時計などは新しい家へと運ばれた。キッチンに立つと、それらとお父様が長年手入れし続けた庭が目に入ってくる。「これからも家族全員お家と一緒に成長して、年を取っていきたいです」。
【建築社/鹿児島】