「定年後は故郷で暮らしたいと思っていたので、鹿児島に戻り家を建てました」と穏やかに語るご主人。十八歳で鹿児島を出て就職。約50年を過ごした京都を離れ、夫婦で兄弟や親戚縁者のいる故郷の鹿児島へ。家づくりに関しては3年ほど前からインターネットを通じて調べ、最初は建売か中古をリフォームして住もうかと探してみたもののしっくりこなかった。そんな時、夫婦の第二の人生の出発に心地よい空間を提供してくれそうだと感じたのが「正匠」だった。
京都の冬は寒く、夏は暑かったので、家を建てるとしたら外断熱・高気密、体に良い自然素材のものがいいと熟考した。さらに間取りなども趣味や好みを活かしたつくりを希望し、土地探しから相談して、これからの夫婦二人の意向に添う形の理想の家が実現した。眺めの良い高台の家から見える山々の景色は、夫婦二人の穏やかで豊かな暮らしにプラスαの彩りを添え、毎日の生活を充実させてくれそうだ。
明るい勾配天井のリビングダイニングは、リビングとダイニングの間に美しい杉板の壁を設置。空間を分けることでプライベートとの棲み分けをうまくアレンジし、ダウンライトと優しい間接照明の光でゆったりとした憩いの雰囲気を演出。中央奥に設置された薪ストーブも寒い時期の楽しみになりそうだ。自然素材にこだわった壁は全て漆喰で、床と天井には柔らかな印象の無垢材を使用。オーダーメイドならではの細部まで配慮されたつくりは、玄関入り口のスロープや手すり、造作カウンター、介護を視野に入れた車椅子のまま入れるトイレやバスルームなど水回りも工夫されていた。また廊下には、押入れ兼用のクローゼットも完備され、快適で住みよい空間になっていた。
家全体の窓のサッシは樹脂製のトリプルガラスで、外の雨の音や騒音をシャットアウトし、静かで心地よい環境を保つ。故郷でのセカンドライフは、ゆったりと庭の景色を眺めながら親戚や地域の人との交流も図れる理想の住まいとなっていた。
【正匠/鹿児島】