陶器瓦の黒にファンタジックアートのような吹きつけの壁が印象的なT邸。玄関アプローチは、用途に応じて階段とスロープどちらからでも入ることができ、広々とした駐車スペースは来客用としても便利。玄関を入って一際目を引く美しい木目は床から天井まで統一され、足下の間接照明でホッと和む雰囲気だ。大容量のシューズボックスとクロークもあり、スッキリとした空間になっていた。上がり口にある天井までつづく手すりは、幼児から高齢者まで使用できる優れもの。「将来に備えて今から老後まで対応できる家にしました」と語るご主人。リビングへ続く引き戸をはじめ、随所に点在する家具や扉は杉やシナベニヤで造作されたもので、既存のモノを収納できるようにシンプルにまとめられ、家の雰囲気にピッタリとマッチする。浮づくりの床はサラッとしていて柔らかく、裸足で過ごすのにちょうどいい。「和モダン」をテーマにした奥様の案を活かしたキッチンタイルやトイレなど細かいところにまで配慮され、広縁は雨の日にはランドリールームに早変わりできるので便利だ。
「住み始めて8ヶ月、部屋を移動するときに室温の差がないので体のストレスがなくなりました」と笑顔で語る奥様。快適空間の秘密は「外断熱・二重通気工法」で、床下から天井にむけて壁の中の空気が動くことで結露によるカビの発生をおさえ夏は涼しく、冬はあたたかい健康に配慮された生活空間になっていた。さらに「気密性」を高めることで外からの音を感じさせないほど静音性も高く、冷暖房のロスも抑えるのでお財布にも優しく暮らせる。また「24時間換気」で計画的に新鮮な外の空気を取り込み、室内の汚れた空気を排出するので家の中は常に清潔に保たれている。足を伸ばしてのんびりできる家の中心にある和室は、我が家のシンボル。忙しい子育て世代の共働きご夫婦にとって、家事動線の優れた機能満載の自然素材を活かした夢のマイホームは、無垢の木や漆喰などを活用することにより調湿・消臭効果に優れた経年変化も楽しめる「自然と人に優しい」つくりとなっている。
【正匠/鹿児島】