M邸のこだわりは木にクラシック音楽を聴かせて熟成乾燥させた「音響熟成木材」。木の細胞を生かして丁寧に乾燥させることで、優れた防菌作用や調湿機能、保温性などの力を家に取り入れることができる。さながら天然木の香り漂う空気清浄機で、夏はひんやり冬は温かく、なめらかな手触りも心地よい。この木材に魅了されたMさんご夫婦が選んだ施工会社は、良質素材のみを使い、木の魅力を卓越した技術で引き出すことに定評のある『楽しい家』。遠方転勤のため来店が難しいMさんご家族だったが「メールなどを使った細やかな対応に感謝しています」と奥様。 そんな自然素材のM邸は、玄関扉を開けた瞬間から清々しい木の香りがお出迎え。中へ入ると庭が一望できる広々としたLDKがあり、その開放感には思わず感嘆の声があがるほど。広範囲の屋根勾配を活かして空間の広がりを高め、キッチン上部の天窓やフルオープンの掃き出し窓で採光と通風を確保している。
生活の変化に対応できるよう、各部屋は極力シンプルに。逆にこだわる部分はしっかり作り込まれているのもM邸の特徴。なかでもMさんご家族に合わせた造作家具は見逃せない。
まず玄関のウォークスルーシューズクローゼットにコート掛けなどを付けて外使いのアイテムを一括管理。その前には空間を分けつつ玄関を彩るディスプレイと小物収納を兼ねた壁も立ち上げた。最もこだわったのはキッチンで、統一感を出すため面材に木を用いて、グリルをなくしてフライパンなどをしまう引き出しを設置している。シンク下をオープンにしてダストボックス置き場を作ったり、左手壁面のニッチに調味料置き場を設けたりと、実際の生活を具体的にイメージした上で便利なものを取り入れた。
キッチン横の通路に沿って並んだユーティリティスペースも使いやすく、手前はロールカーテン付きパントリー、その先は書斎を兼ねたワークデスク。スキマ時間の有効活用に最適だ。
Mさんご家族が間取りを考える時、家族のふれあいと家事や生活のしやすさを大切にしたのだとか。そのため玄関の近くにキッチンを設え、調理中も家族と声を掛け合える造りになっている。荷物などの移動も考慮して、食品や日用品を収納するパントリーや分別ごみ箱、そして学用品が多い子どもたちの部屋も近くに配置。一方、家族が寛ぐリビングは奥側に広く取り、庭へのアクセスも容易にしてオンオフを切り替えやすい工夫がなされている。
引き戸一つで分けられるLDK隣接のサニタリーエリアは、一直線上に浴室と洗面化粧台、洗濯物干し場と作業台、収納部屋を集約。洗濯のすべてがここだけで完結する上、外からの視線も気にせずに済む。また、シューズクロークをウォークスルーにしてそのまま玄関やトイレ側へ行けるのもいいところ。回遊できる広い動線のおかげでスムーズに移動できるため、家族と一緒に作業しても混雑を避けられる点が嬉しい。
【楽しい家/鹿児島】