新しい家が建ち並ぶ住宅地でひと際目を引く水色の外観が印象的なY邸。まるでアメリカ西海岸のビーチハウスを思わせるような、光と風がよく似合う開放的なデザインが魅力だ。外観もさることながら最も象徴的なのが1階のリビング。白をベースとした爽やかな大空間で、南向きには全開放型の大きな窓が。そこからシームレスにつながるカバードポーチ、広がる青空、開けた景色と、たちまち喧噪を忘れさせてくれるリゾート感が漂う。まさに奥様が望んでいたアメリカンスタイルの家だ。ここだけでも十分に家族が憩えるのだが、2階にもセカンドリビングとでも言うべき特別なフロアを設けた。バーカウンターに水栓、ダーツ、漫画棚、ソファーとテーブルなどを備えた広さなんと12帖ものホビールーム。とにかく『好き』を集めたワクワクする部屋だ。1階はリラックスムード満点、2階は遊び心たっぷりの2つの異なるリビングは、Yさんご家族の暮らしをより豊かにしている。
Y邸の家づくりにおいて素敵だなと特に感じたのは、あえて『余白』を残すという余裕と自由さ。絶対的に必要な収納や明確なプランに基づいた家具はあらかじめ設置したものの、造り込み過ぎないことで自分たちのライフスタイルや気分の変化に応じてアレンジを加えていく楽しみを残した。例えば、1階のリビングには、テレビボードやワークデスクなどの造作家具はない。そのおかげで、フラットで最大限広さを活用できているし、柔軟に模様替えだってできる。一方、家を建ててから新たに加わった猫ちゃんのためのキャットウォークや2階のホビールームの飾り棚はDIYして、自分たちの発想で手を加えている。「庭づくりの構想も練っています」と嬉しそうに今後のプランニングを語ってくれたご主人。Y邸の家づくりは現在進行形だ。自分たちで色づけしていく我が家には、家族の暮らしを育むと共に色濃く想いが刻まれ、より一層愛着が生まれていくのだろう。
【カナダプレイス/鹿児島】