子どもたちが手を離れ、夫婦暮らしだったSさん。それまで住んでいた家が区画整理地区に入ったため、セカンドライフを謳歌する新居を計画することになった。ご主人は仕事がら、多くの建築物を見てきた経緯があり、わが家をゆだねるビルダーを見る目も厳しい。「展示場で大手ハウスメーカーなども見学しました。でも最終的には、長く付き合える地元の会社が安心という結論に。なかでも松建は実績・信頼性が確か。天然木をたっぷり使う内装仕上げも気に入りました」。
住んでから特に良さを実感したというのが、同社が提案しているエアサイクル工法だ。これは壁に設けた通気層を伝って、床下から小屋裏まで空気を動かす仕組み。構造材に常に新鮮な空気が触れるため、木材の腐朽やカビの発生を抑える効果がある。断熱性能も高く、冷暖房の効きもいい。とはいえ当初、半信半疑だったご夫婦は寒さ対策でガスストーブを準備していたそう。しかし一度も使わずじまい。それどころか何もしなくても室内が13℃を下回る日はほとんど無く、冬も夏も快適に過ごせたと口を揃える。
現在もバリバリと仕事をこなすご主人だが、すでに古希を迎えた年齢。日常生活は奥様と二人で過ごすことが多いため、生活の中でのケガを防ごうと段差を設けないバリアフリー仕様への配慮にもこだわった。万が一のことも考えて、玄関とトイレは車いすでも入れる広さを確保。また、前述のエアサイクル工法は室内の極端な気温差を作りにくいメリットもある。特に冬場など、洗面やトイレもリビングと同じくらいの室温に整え、室温のバリアフリーもかなえた。
間取りは、ゆったりと暮らせるようにと平屋造りを希望。メンテナンスのしやすさを優先させ、陶器瓦を採用したことから和モダンのスタイルに。内壁は漆喰塗り、床は浮づくり仕上げの無垢材など、同社の持ち味を活かした住空間にご夫婦も大満足の様子。食事がすむとご主人は和室、奥様はそのままダイニングで思いおもいの時間を紡ぐ。互いが見えなくても気配は感じられる。そんな適度な距離感が、居心地のよさと夫婦円満をつくっている。
【松建(しょうけん)/鹿児島】