個性的な形態と重量感のある外観に思わず立ち止まって見惚れてしまうほど、デザインが特徴的なS邸。
自ら工務店を経営する建築家のお宅で、周囲の自然環境と調和し、景観を活かしたリラックスできる住空間だ。リビングに設けたコーナー窓は、景色を美しく映し出すことを意識した設計で、移り行く自然の表情を室内で贅沢に楽しむことができる。ウッドデッキに続くダイニングの開口部を全開すれば、爽やかな風と光が戯れ、自然と共存する明るく開放的な住まいだ。吹き抜け上部には天窓を、2階の通路は壁一面大きな窓を2ヶ所設けることで、採光が隅々まで行き届き、日中は照明いらず。大きな窓の上部は開放できるので、効率よく換気もでき、部屋中清々しい空気で満たされている。玄関からのリビングに抜ける視界の良さも抜群で、入口の高さは2.2mだが、幅を確保することで狭さは一切感じない。ダイニングの吹き抜けと外に広がる景色と相まって、縦にも横にも伸びる広々とした開放的な空間が実現した。
コンセプトは『生活感を感じさせない家』。室内はシンプルに、ウォールナットの床と白を基調としたモダンでハイセンスなデザインで統一されている。スイッチなどの機器は壁と色合いを合わせ、エアコンは全室壁に埋め込み、違和感なく空間に溶け込んでいる。視界を邪魔されないようにと、キッチンはあえて壁付けにしたが、収納も兼ねた造作カウンターをダイニングと対面させることで、家族との会話はスムーズになった。空間を緩やかに仕切る役割も担っている。見た目にこだわりつつも、住み心地と調和した設計だ。
吹き抜けに繋がる2階は、通路兼ファミリールームにもなっていて、料理をしながら子どもたちとの自然な会話も楽しめ、家族がさりげなく触れ合えるスペースへと仕上がった。キッチンから浴室、脱衣所は一直線上に並び、洗う→干す→しまうが一気にできるので家事動線も抜群。さらに、浴室に直接行ける外からの動線も便利で、ママも野球好きな長男もストレスを感じることなく、スポーツや外遊びを最大限楽しむ間取りになっている。
【サガヤマハウス/鹿児島】