主要道路から少し奥まった土地に大きなガレージを併設した、一見すると平屋建て風の住まい。5歳違いの姉弟の子育て中というNさんご家族の新居だ。「道路からちょっと奥まった土地なので外観はあまり目立たないんです」とご主人。「せめて訪れる人の目に入るところにはこだわりたい」と設計スタッフに伝えたところ、愛用のバイクと車を置けるガレージも併設して建てることになったのだそう。これなら、雨や灰で愛車が汚れる心配もなく、ヘルメットやメンテナンス用具の置き場所に困ることもない。セキュリティ面でも安心だ。
家づくりを検討するようになってから、様々なモデルハウスや完成見学会に足を運んだというNさんご夫婦。「いろいろな会社の作りを勉強したくて。完成見学会では、それぞれのご家族のこだわりを見せていただいたのですが、当然ですが自分たちの好みや生活とは違うので、私たち家族には何が必要で何が不要なのかを考えるきっかけになったと思います」と振り返る。
そんなご夫婦がたどり着いた理想の家は、家族が安心して暮らせる住まい。熊本地震直後に仕事で現地を訪れたご主人は、たくさんの住宅が倒壊する大きな被害を目の当たりにして耐震性能の大切さを痛感したのだそう。日本各地で大きな災害が続いている中、決して他人事ではないと感じ、もし災害が起これば自身は仕事に出なければならないため、家族をしっかりと守ってくれる家でなければという思いを強くしたという。当初は構造的に地震に強い平屋を希望し、天井高を抑えた小部屋を上下に重ねて子ども部屋と収納部屋に分けるプランを考えていたとのことだが、そうすると収納部屋にもかがんで入らなけらばならない。「荷物が多く、生活の中でよく使うスペースなので、常に中腰というのはやっぱり不便かなと思って」と最終的に2階建てを採用した。おかげでかなり広くなった収納スペースは、普段使いのクローゼットとしても活用している。
子ども部屋以外のすべての部屋を1階に配置した間取りで、とても動きやすいN邸。リビング階段の下には、子どもたちのスタディースペースや読書、パソコン作業など自由に使えるカウンターが置かれ、家族が同じ空間で心地よく過ごせる工夫が施されている。キッチン裏の洗面脱衣室兼ユーティリティには入り口を2か所設けて回遊性を持たせてある。「外干しすることが多いのですが、ユーティリティーは室内干しもできるような広いスペースを確保しました。入り口が2つあるとクローゼットやウッドデッキへもスムーズに移動できるのでとても便利です。」と奥様。リビングに隣接するクローゼットやウッドデッキだけでなく、玄関横のシューズクロークもまた壁一面に棚を設けた大容量の収納スペース。こちらもクロークを通り抜けて出入りでき、ゲスト用と家族用の上がり口を分けているので常にすっきりとした玄関をキープすることができました。
【住まいの前屋敷/鹿児島】