I邸をずばり一言で言い表すなら、『心地いい家』だろう。木のぬくもりや穏やかなカラーリング、ゆったり余裕のある空間におしゃれなインテリアや選りすぐりの家具…と全てにおいて調和のとれたレイアウトは寛げる空間の条件をいくつも満たしている。
夫婦で選んだダイニングテーブルにソファやテレビボード、ご主人が飾るドライフラワーやアンティーク風の雑貨、奥様が集めた食器やキッチン家具など、どれをとっても素敵なものばかり。白と木を基調とした大空間はそれらを引き立たせる言わばキャンバス。だからこそI邸はどこを切り取っても絵になるのだ。特にダイニングの一角は飾り窓や雑貨を並べたチェスト、アクセントに赤い椅子やペンダントライトなどがバランス良く配され、まるでカフェのような雰囲気に。
『ナチュラル』という明確な共通テーマを軸に自分たちの好きなものをプラスしていったからしっくり馴染む統一感のある部屋に仕上がった。
LDKから和室に続く大空間もI邸の魅力。鉄骨と木造の良さを生かしたテクノストラクチャー工法の強い家だから柱の少ないオープンな空間を可能にした。和室にはあえて仕切りを設けずリビングと一続きにすることで広がりを持たせ、小上がりにすることで立体感と奥行きのある空間を実現。また、和室の存在感は漂わせつつも全体の雰囲気にマッチしたシンプルモダンな設えに。しかも小上がりの段差はちょうどいい腰かけになる上に、収納の役割も果たし実に合理的。その他の収納についてもスマートだ。
キッチン背面には見せる収納棚とは別に目隠しをしたパントリーも設置し、食品やキッチン用品などがストックできる。一方、浴室横にはファミリークロークを設け、家族の衣類を一同に収納。朝の身支度や洗濯後の片付けもスムーズだ。キッチンや洗面・浴室などの水回りをまとめた点も主婦には特に嬉しい。収納たっぷりで家事や生活動線を噛んだえた賢い間取りだ。
【田丸ハウス/鹿児島】