中心街へのアクセスも良い鹿児島市内の住宅街にある、インナーガレージ付き2階建ての家がOさんご家族の住まいだ。生活に便利な立地ではあるが、敷地面積は約32坪。プランニングでは、限られたスペースをいかに有効活用して心地よい空間にするかというのが大きな課題だった。
車2台分の駐車スペースを確保するため、1階フロアにインナーガレージと寝室や水回りなどの生活空間を配置したO邸。住宅密集地でもあり道路にも面しているので、2階リビングを採用したことで外からの視線や音も気にならず、採光面でのメリットも大きかったという。
2階は、キッチンを挟んでリビングとダイニングスペースを左右に分け、同じ空間にありながらそれぞれの独立性を高めた。さらに、リビングに隣接する仕事部屋と趣味の部屋を縦に重ねたり、スキップフロア風に向けた子ども部屋は、ロフトを設けてベッドにしていたり、子ども室の床下部分には納戸スペースを設けるなど無駄のない秀逸な設計でプライベート空間を充実させている。
「この家具を置きたくて、このテーブルに似合うコーディネートを心がけました」と、二人が惚れ込んだリッツウェルの家具が置かれたリビング。控えめでありながらデザイン性の高いこれらの家具に似合うインテリアやディスプレイがO邸の室内を彩る。主張しすぎないけれどセンスの良さを感じさせるランプシェード、柔らかな色彩を引き締めるアイアンの素材感、シャープな表情を見せてくれるアカシアの無垢材、これらを一つひとつ選んでいくのも楽しかったそう。
「ベースになる壁紙やタイルはシンプルなものをチョイスしています。家具やインテリアを変えることで、年をとってからもその時の自分たちにとって心地いい空間を作ることができると思うので、いずれまた模様替えも楽しみたいですね」と二人。ただし、簡単には模様替えしづらいシステムバスやシステムキッチンなどの住宅設備は耐久性の高いモデルを採用するなど、メリハリをつけた予算配分もポイントだ。
料理は一緒にすることも多いという共働き子育て世代のOさんご夫婦。壁付けのキッチンとキッチンカウンターをII型にレイアウトし、ビルトインの食器洗い乾燥機は大きな鍋やカトラリー類も一緒に洗える3段タイプを採用している。キッチンとダイニングの床はリビングより一段上げて塩ビのタイルを使用。「水跳ねや子どもの食べこぼしで床が汚れてしまっても、水拭きするだけでキレイになるので、掃除がとてもラクになりました」と奥様。また、リビングとダイニングの空間が離れているため、食後の片付けに時間がかかったしてもあまり気にならないという。
洗濯物は、乾燥機を活用して乾かすことで干すための「時間」と「空間」を節約。「以前の家では目に付く場所に部屋干ししていたのですが、今は干す場合でも1階の寝室を利用しエイルのでストレスがありません。」ファミリークローゼットも1階にあるので、衣類の収納も手間がかからず、朝の身支度にも便利なのだそう。
【ヤマサハウス/鹿児島】