ドアを開けると、高い天井と太く頑丈な桁が力強い存在感とともに出迎えてくれるT邸。充実の収納スペースとつながった玄関の開放感とあいまって、どこか豪快さと迫力を感じさせる住まいだ。中へ進むとLDKもまた圧倒的な広々空間。贅沢に取った大きな窓からは視界が果てしなく広がり、実際の面積よりもずいぶん広く感じられる。
利用している保険会社で黒松製材建設の副社長に偶然出会ったというTさん。話をするなかで、住む人に優しい家づくりにこだわっていることを知り、即決したそう。理由の一つには、Tさんご家族がアレルギーに悩まされているということがあった。床や天井、建具など木がふんだんに使われた住まいは、壁もほとんどが漆喰で、自然素材の優しさに包まれるように過ごせる家。以前住んでいた団地ではすごかったという結露やカビに悩まされることがなくなり、近所へ外出すると愛犬も家に帰りたがるというほど、快適な我が家が出来上がった。
水産業を営み、趣味も釣りというご主人。新居には釣り竿専用の収納スペースを設けた。寝室の隣に配された奥行きのある空間には、ロッドスタンドに多種多様な釣り竿が整然と並び圧巻だ。玄関に折りたたみ式のカウンターを造作してあるのもポイントで、釣り道具を作る作業台として活躍する。一方、奥様が良かったと感じているのがキッチン。アイランドタイプで回遊できるのがお気に入り。また、寝室に設けたクローゼットは大容量で、季節ごとにわざわざ衣替えをする必要なく収納できるのが嬉しい。
「棟梁がこだわりのある人で、木の色や木目まで合わせて一つひとつ丁寧に造っていました」と振り返るTさん。建築中に台風が来た時にも、すぐに様子を見に来て周りを片づけたり、現場へはいつも最初に来て最後まで見届けたりといった仕事ぶりにも信頼を寄せてきた。「この人なら」と思える職人との出会いは、T家の家づくりにおいて大きな収穫だったに違いない。
【黒松製材建設/鹿児島】