ダークカラーのスタイリッシュな外観が目を引くF邸だが、一番の主役は何と言っても広々と開放的なリビングだ。壁や天井は白を基調とし、床にはオイル仕上げの無垢材をチョイス。まずはこの明るくさわやかな色合いが、空間の広がりを生む効果を十分に発揮している。加えて、リビングから繋がる和室においては、全く間仕切りを設けず、一体となったつくりに。憩いの間として、またお子さんのピアノの練習の場としても、自由に使えるエクストラルームだ。
そして最も特徴的なのが、リビングと階段の間に設けた可動式の間仕切り。マットなガラスをはめ込んだ3枚スライド式で、採光や視覚的な抜け感は確保しつつも、エアコンの効率を考慮して空気の流れを抑制したい際にはしっかりとその役目を果たしてくれる。そんな快適なリビングには、自然と家族が集まるようになり、部屋の中心に置いた大きなソファでは、一家揃っての食事や団らんを楽しんでいるそう。
家族共有の居心地のいい空間はもちろんのこと、各々のプライベート空間や収納が充実しているのもF邸の魅力。リビングサイドに設けた書斎は、まるで隠し部屋のようなおこもり感満載の空間。机や棚も備わり、誰にも邪魔されずにデスクワークに集中できそうだ。
コンパクトな個室だからこそ、壁紙で遊んで他の部屋と違ったデザインを楽しんでいるのも面白い。2階の主寝室は収納力十分なロフト付き。おかげで最小限の物や家具で構成された室内はスッキリした印象になった。白い壁一面をスクリーン代わりに大画面の映像を鑑賞できるシアタールームとしても活用。また、2人いるお子さんの子ども部屋は、それぞれで壁紙を選び、女の子らしいかわいい部屋に。白い建具を採用し、ナチュラルな雰囲気を持たせている。
奥様に嬉しいのは、キッチンのパントリー。ストック品や家電などたっぷり収納できるから、キッチン回りの片づけもスムーズ。家族それぞれがお気に入りの場所を手に入れ、大満足の様子だ。
【建築社/鹿児島】