家づくりを進めようとしていた時、奥様の実家近くの土地を紹介されたKさん。「最初見たときは、ここにホントに住宅が建つの?という印象でした」と笑う。というのも、この土地は一般的な宅地と比べてちょっとクセがあったから。間口が狭く奥行きが長い、いわゆるウナギの寝床と言われる形状だ。しかし下見をした松建の植園さんは、ご夫婦に「大丈夫ですよ」と心強いひと言を告げる。
Kさん夫妻と同社のつながりは、奥様の祖父母と以前からの知り合いで数年前に実家を新築、今回のK邸の新築と続いた。地元工務店ならではのエピソードだが、それだけ長い間、しっかりと信頼関係を築いてきた証拠。長い年月を過ごし、安全・安心を託すわが家をつくるにあたり、『馴染み』や『話しやすい』だけでは決定打になり得ない。地元に根付き、規模の大小を問わないきめ細やかな対応が、地域やOBの評価に直結。「松建さんなら任せられます」というKさんの言葉にも結びつく。
まず同社が行ったのは、どう暮らしたいのかを明確にすること。「共働きで、子育て世帯。家事は夫婦で分担しているので、それぞれの利便性にもこだわりたくて」と奥様。さらにご主人は帰宅後すぐに入浴して、サッパリしてからくつろぎたい派。K邸のレイアウトには、そういった日々の生活の流れを自然につくれる仕掛けが施されている。
玄関から入るとすぐに主寝室、洗面脱衣室、浴室、ユーティリティーが配され、それらを中廊下でつないでいる。洗濯や帰宅後・出かける前といった目的別の動線もコンパクト。こうしたプライベートゾーンの奥にリラックスして過ごすLDKを配置した。
3面の壁を持つリビングは、この敷地だからこその特長だ。各壁に窓を付けることで、明るく風通しのいい空間を実現。床は同社が提案するスギの無垢材を採用。「リビングだけは、子どもが床に寝転がります。肌触りとか柔らかさとか、気持ちいいんでしょうね」。子どもは嘘をつけないのだ。
【松建(しょうけん)/鹿児島】