数年前、娘が幼稚園に入園する際、布製の絵本バッグや上履き入れ、巾着等々を用意するように園から言われ、そのためにミシンを購入することとなった。今思えば市販のバッグでも何の問題もなかったのだろうが、手渡された入園準備品のリストには、それぞれ細かくサイズが書いてあり、律儀な私はその寸法通りに作らなけれなならないと思い込んでいたのだ。ソーイングなんてウン十年前の家庭科の授業以来。ミシンの取扱説明書とソーイングのハウツー本を交互に読みながら、どうにかこうにか入園グッズの数々を作り上げたわけだが、そこで目覚めたのだ。ミシンをダダダダッと走らせる爽快感に。
去年の春は息子が小学校に入学を控えていた。毎年、年度末は何かと忙しいのだから給食で使うランチョンマットは購入してもよかったのだけど、やっぱり私はダダダダッとミシンを走らせていた。ついでにお弁当用の巾着まで。
我が家の食事でランチョンマットを使うことはない。なんとなく面倒臭いから。しかし、調べてみるとランチョンマットはなかなかの優れものらしい。敷くだけで食事が華やぎ、暖色系は料理を美味しく見せてくれるし、寒色系なら高級感を演出できる。面倒臭いとか言ってる場合ではない。いつもの手抜き料理が少しでも見栄え良くなるのなら、ランチョンマットのカラーバリエを増やすのも楽しそう。その前に料理の腕をあげるべき?でも、フライパンよりミシンが好き。
▲藍色のリネンは少々汚してしまっても目立たないので助かっている。本当は娘のスカートになる予定の布だったのだけど
text/若松ともこ