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特集

【コラム】つくるくらし vol.1 〜麦藁でつくる幾何学模様のモビール『ヒンメリ』〜





美しい幾何学模様に仕上げるために
 ほどよい力加減を探りながら作ろう

フィンランドの伝統装飾『ヒンメリ』は昔から、ヨウルと呼ばれる冬至の祭りで飾られていたという。このヒンメリを近所のママ友と作ってみることに。彼女は元数学教師。今や手作りのリネンスカートを軽やかに着こなし、自然体の子育てを楽しんでいる風の彼女が、かつて授業用の大きな三角定規を手にしていた姿は想像しにくいのだけど。
ヒンメリの材料は麦藁はとタコ糸(または刺し子糸)。同じ長さの藁をそれぞれ必要な数だけ切り取り、それを一本一本、針代わりのテグスを使ってつなげながら幾何学模様を形づくっていく。それはとても単純な作業。
「とりあえず糸を通していけば形になるんじゃないの?」と大雑把な私に「順番があります。ちゃんと作り方を読んでください」と優しく諭してくれた彼女。そう、いつも後先考えずに動き出してしまうのは私の悪い癖だ。行き当たりばったりな性格は生き方にも反映されてしまって、随分無駄に疲れたりしている。


ヒンメリづくりはそう難しくない。ちゃんと作り方を読めば一応形にはなる。けれど私が初めて作ったヒンメリは微妙に歪んでいた。多分、もう少し糸を緩めないといけないのだ。力加減までは作り方を読んでもわからない。繰り返し作りながら手心で覚えるしかないのだろう。
そうして我が家にもイビツなヒンメリが増えていくのだ。





▲材料は市販のストローでもいいが、本物の麦藁で作った方がナチュラルで素敵。ただ、糸をきつくすると裂けてしまうので注意して



text/若松ともこ